学問としてのポップカルチャー

15年以上前の思い出である。海外の図書館でインターネットをしているとたまたま隣に女性が座った。何気ない会話ではあったが、彼女は次の日も同じようにパソコン室に現れた。日本に興味があったことから意気投合したのだが、特に日本の漫画『NARUTO』の大ファンで、逆に私がDVDを借りて見たこともあった。それ以来の長い友達付き合いだ。 それにしても、海外に出てから改めて日本を意識すると、日本のサブカルチャーの勢いを実感できる。日本の漫画は、友情や勝利、愛といったテーマ性があることが多い。『NARUTO』もまたその1つだ。ポップカルチャーの研究者である早稲田大学の柿谷浩一は、月9ドラマから私たち日本人の精神史を読み解けるとまで言っている。 ポップカルチャーの定義そのものが難しいとも述べているが、確かにポップカルチャーを通してその伝統文化や思考様式を考察できるのだろう。つまり、それは特別な予備知識が必要なハイカルチャーと違って気軽に消費できる側面があるため、世相を反映しやすいのかもしれない。 柿谷は早稲田大学の人気講師らしい。そういえば学部時代にもアメリカのポップカルチャーからその文化史を分析した講義は人気だったような。「まずは自分の中の反応を言葉にしてみる」(柿谷)ことが重要な思考方法であることは間違いないようだ。 ※参考文 早稲大学校友会、(2017.4) 『早稲田学報』

人知を超えつつあるAI

AIの進化が止まらない。世界で最も強いと言われる囲碁棋士を破った人工知能「アルファ碁」を上回るさらに強力な「アルファ碁ゼロ」が開発されたという。「アルファ碁」はプロ棋士の棋譜を深層学習で学んだが、「アルファ碁ゼロ」はプロ棋士のゼロは3日間の独自の学習システムで「アルファ碁」に100戦全勝したという。 「アルファ碁ゼロ」は文字通り囲碁のルール以外はまったくゼロの状態から自己学習を始めたという。すなわち、プロ棋士の棋譜をもとに深層学習した「アルファ碁」とはまったく違う「何か」のプロセスやロジックを経たと推測されている。 プロ棋士の大橋拓文六段は「人間の知恵が足を引っ張っている可能性があると考えられ、悲しさを覚える」と答えている。このまま進化が続けば人類はその叡智では届かない世界にたどり着く可能性がある。例えば医療技術の発展や宇宙の進化の解明など、人類に新しい希望を与えてくれるかもしれない。 一方、人類が生み出した物のロジックが分からない世界に、人間がその存在意義と展望をいかに掲げられるのかは大きな命題になるだろう。機械との距離感をどうはかるか。率直いうと、私はシンギュラリティーを迎えた時代に多少の恐怖を覚えてしまうところがある。 ※参考文献 読売新聞(夕刊)、2017 10 19、「アルファ碁に 100戦全勝…最強AI誕生 『独学3日』 創薬など応用期待」

夢・希望が芽生える

2017年10月10日は、自民・公明の与党と、小池百合子率いる希望の党と日本維新の会、共産・立憲民主党・社民党の3勢力が争う衆議院選挙の告示日となった。自民党の森友・加計問題等や不倫問題など自民党の不祥事が続き、日米に挑発を続ける北朝鮮に対して憲法改正を強く願う安倍首相が勝負に出た選挙である。その日の読売新聞は夕刊「よみうり寸評」には次のような文面があった。「(投票の)棄権は白紙委任と同義語だろう。」 私たちが当たり前のように享受している選挙権は、多くの人命を犠牲にした上で勝ち取った貴重なものなのである。それも世界史を振り返ればつい近年の出来事であることに気づく。かつての人々が選挙権に社会創造を見出したように、私たちも夢や希望の芽生える社会を目指さなくてはいけない。それは次の世代の子どものためでもある。 人類は常に戦争を繰り返して来た。女性が子どもを産む時の分娩の苦しみを考えれば、紛争で人が殺しあうことほぼ残酷で無意味なことはない。人間には戦争のない平和な社会を維持するために言葉を用いて議論し考えられるはずである。安易に戦争だ叫ばずに、女性の偉大さと命の尊さに感謝と尊敬の気持ちを持たなければいけない。 「夢や希望という芽を大切にして生きていき、人生という大空に良識を持って羽ばたけ!」私が自分の子どもたちに託したものである。そして、それがこのサイトの趣旨とイメージにもなっている。 ※参考文献 読売新聞(夕刊)、2017 10 10、「よみうり寸評」

1990年代のSF映画(GHF「誰かが一言復刻版」)

復刻版の第2弾。同じく8年前に執筆。当時、最も好評の良かった作品の一つである。 (注:表現等一部変更) ***************************************** ・1990年代のSF映画 「1990年代のSF映画と言えばやはり、『Independence Day』・『Armagedon』『Deep Impact』の3つだと思うなぁ。内容的なものや、時期がそれぞれの映画を関係せざるを得なくなってるみたい。 どうやらアメリカ人はこの手の映画に基本的に次の要素を期待するみたいだ。 1.恋愛などでパートナーと複雑な事情を持ち 2.有名な俳優が演じ 3.世界を背負って 4.困難に立ち向かって 5.自己犠牲の代償に地球を救う さて、この3つの映画は上の条件をほどよく満たせている。まず先行の、『Independence Day』は5つの条件にCGを使って迫力満点に作り上げてるから、多くのアメリカ人は無意識に文句無く楽しめるんだとおもう。そして皮肉なのが『Deep Impact』。『Armagedon』と同時期に後発されたために、そのDEEPさが伝わらないことが多いみたい。はっきり言うとアルマゲドンは単純で長たらしいストーリーに幼稚なキャラクター、それでいて予想できる結末…。それに比べると『Deep Impact』は衝突前の人間のドラマをそれぞれ、死ぬ運命の人間、死ぬことを選択する人間、死ぬことで他人を救う人間の3重に計算高く展開させる。実際、タイトルの“Deep”にはさまざまな意味が含まれているようだし。ただ、時代の流れに流されてしまい、『Independence 

アメリカ人の率直さ(GHF「誰かが一言」復刻版)

これは2002年に書いた「誰かが一言」である。15年前の超貴重作品だ。言語学に興味があった大学生の様子などが分かる。文体もだいぶ違う。それでは、当時にタイムスリップしてみよう。 (注:表現等一部変更) 「《今日の英語表現》 Honesty is the best policy =正直は最善の策 ***************************************** ・アメリカ人はとにかく率直だ。礼儀は重んじないね。 以前、あるアメリカ人と仲良くなって社交辞令的に「なかなか時間ないけど、もし時間できたら、今度旅行に行きたいね」って話したんだ。もちろん、この言葉の意味には暗に“行かない”事を意味してるんだけど、アメリカ人はそうじゃない。旅行の話など忘れていたら、突然、お前は嘘つきだと怒られてしまった。  ここから、突っ込むよ。日本人は遠まわしな表現でお互いの関係に波風たてないようにする。でも、アメリカ人はそうじゃない。黒白はっきりさせようと直接的な表現を使う。こいうった態度は言語活動にまで影響を与てるみたいで、俺が初対面と言うこともあり緊張しておとなしくしていたら、どうも英語を使えない人だと勘違いされて、いまだに日本語で話してくる。どの程度話せるかではなくて、話せるか話せないのかに基準を置くみたいだ。 電話の例でも、問題は行くのか行かないのかであって、礼儀や体裁は考えないのである。平和を強く願うアメリカ人の政治活動の根本にはこのような考え方があるんだろうね。テロの後も、“悪の枢軸”発言みたいにはっきり言っちゃってるしね。日本の首相はきっと怒りを内

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