新しい時代の評価方法を考える

英語改革に向けて様々な議論がなされる中で、評価方法の工夫や改善は解決すべき課題の1つだ。というのも、従来の大学入試等で文法、長文や読解に重きが置かれ、マークシートで答案を処理していたからだ。膨大な数を正確に行うには合理的sだったかもしれない。しかし、翻訳文化に発祥を持つ「使えない英語」指導の文化は終わった。 4技能育成の中でアウトプット型、つまりライティングとスピーキングの妥当な評価方法が急がれる。明治大学の尾崎直子教授は観点別評価の方法として、①パフォーマンス評価(スピーチなどの実演評価)、②ルーブリック(成功度合いとパフォーマンスの特徴を組み合わせる評価基準表)、③ポートフォリオ評価(記録や成果物の集積と評価)の3つが重要であるとし、「学習到達目標と指導、評価の一体化」を提唱している。 もちろんこれらの評価方法は、採点者の主観が入るために完全な公平性を求めるのが難しい。だからといって、基準が細かくなりすぎると採点が煩雑になる。(経験的に項目が多い方が精確さが担保しにくいと感じる。)ここには人間が人間を評価する大きなジレンマがつきまとっている。 だからこそ教師の同僚性が必要になってくるのだ。現状では教員が一枚岩で取り組む雰囲気が醸成されない。これでは望ましい指導も評価も行えない。現場の教員が同じ理念を共有し、共通の評価方法を設計し、多くの目で生徒の長所を伸ばしていく姿勢が必要となる。例えば、日本人教師とALTのそれぞれの長所を活かしていくことも出来るだろう。評価方法の在り方を考える重要な時期に来てるのである。 ※参考文献 日本英語検定協会、(2017 4)、『英語情報 201

新学習指導要領とこれからの英語教育

私がオーストラリアへ留学した最初の頃だ。当時、英語が母国語ではない留学生は、ELICOSという学校(コース)で一定の成績を収めなけば、自分が専攻したいコース(メインストリーム)に入れなかった。だから、日常会話からディスカッション、遠足やパーティーといった授業・行事が豊富で、まさに「生きていくために必要な英語」をアクティヴィティーやプロジェクトなどを通して実用的な英語を学んでいった。だから、文法の授業なんてほぼなかったし、読解問題では文章を分析することは一切なかった。むしろカリキュラム、指導方法そして評価が4つの技能向上に向けて有機的に結びついていた。「英語はコミュニケーションのツール」という原理・原則が確固として存在しているのである。 日本の英語教育は、「受験英語」指導から「実用英語」指導へと大きな変革が行われようとしている。その大本に当たるのが『新学習指導要領』の改定なのである。そこで、いくつかのポイントを押さえ、今後の展望を見ていこうと思う。 <新指導要領の目指すもの> 新学習指導要領の目指すところは、外国語教育の充実として、5つの領域別目標「聞くこと」「読むこと」「話すこと(発表)」「話すこと(やり取り)」を設定した。また、高等学校に限っていうと「コミュニケーション英語I・II・III」が「英語コミュニケーションI・II・III」となった。また、「英語表現I・II」「英会話」は「論理・表現I・II・III」となる。小中高の一貫した指導と場面に応じた指導等の工夫がされることになる。これに関して、下山田教科調査官は「最終的には自律的な学習者を育てること」とし、「CAN-DOリ

東京都主任教諭試験論文対策 「主任教諭としての課題と解決策」

東京都主任教諭問題は大まかに言うと「主任教諭としての課題と解決策」(=主任教諭としての助言と指導の課題(2つ)と経験等を踏まえた解決方法」)について書くことである。 そしてポイントは、 ・あらかじめ型を決めておき、自分の知識・技能・経験・実績等を整理して、本番は「清書」するだけにする ・「教諭(教員採用試験)とは異なり、主任教諭として学校を運営する視点を持つこと」 である。 以下はそれを踏まえた模範解答例である。ただし、内容は2018年度現在のもので、模範解答例として成立する程度に内容を脚色および省略してある。つまり、内容は架空ものを含んでいる。以下の見本は上記の着眼点とそれを構成するロジックを確認をするめのものとして読んで欲しい。 ************************************* (例) 英語の苦手な生徒が多く、多様な進路の学校が私の勤務する現任校である。私は英語科の教員で生徒指導、および自立支援を担当しているが、本校には解決すべき喫緊の課題として、以下の2つがあると考えている。 第一に、英語教育に関して、日本にはコミュニカティヴメソッドに関する資源や情報等がまだ多くないため、生徒の英語による言語活動を、どのようにオールイングリッシュで促していくかが課題となっている。しかし、英語科には積極的に授業改善を図る研修体制や情報共有の場が構築されておらず、その意識にも乏しいことが現任校の課題である。 第二に、校内の教職員だけでは、進路指導や学習活動への支援が難しい事例が増えてきており、これらを担任が対処法に迷い、一人で抱え込んでしまうことも少なくない。例えば

東京都における島嶼の高等教育の在り方 〜島嶼教育の展望と課題〜

東京都は伊豆諸島にいくつかの都立学校を管轄している。高校で言えば、最南端の小笠原高校から小規模の神津高校まで様々だ。一般的には教員にはあまり人気がないと言われているが、逆に私は島嶼教育に魅力や可能性を感じている。その理由は主に3つある。 ①小人数個別指導 島嶼は生徒数があまり多くないので、ゆとりのある個別指導が可能である。私立学校であれば生き残りを掛けた実績や特色を打ち出さねばならず、また公立の大規模校では生徒ひとり一人に丁寧な指導を割く時間は取れない。余計なプレッシャーのないゆとりのある個別指導が出来る環境にある。 ②自然の豊かさ とにかくその自然だ。青い海、白い砂浜、澄んだ空気、様々な動植物…。これらは観光的な魅力だけではなく、豊かな教育資源でもあるのだ。毎日塾に通わせるお受験では味わえない世界観がそにはある。 ③地域社会への使命感・貢献性 教育の地域に貢献する程度の大きさから「やりがい」を感じることもあるだろう。狭い地域だからこそ教員としての使命感を全うする気概が持てるものだ。学校は地域の中核的存在となっている。 一方で課題も散見される。先日、島嶼に勤務する先生方とお話しする機会があり、そこで島嶼教育の課題を教え頂いた。ここではその課題について三点述べておく。第一に、総じて高くない学力をどのように伸ばしていくかという点である。高校入試は倍率が出ることは稀なため、競争による外的動機はあまりない。第二に、教員の数や研修の数も多くなく、限られた教育資源の中でいかに指導力を高めていくかが難しい。異動の多さも相まって指導方法や校務に関する情報が深まっていかないようである。また、中堅

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