『あの花の名前を僕達はまだ知らない』〜郷愁の中に咲く「あの花」〜
子どもの頃は抱いていた、でも成長するにつれて忘れてしまった大切なもの。それは、あの頃あの場所に咲いていた「あの花」。仲良し6人組は、メンバーの1人の不慮の事故死をきっかけに離れ離れになってしまった。その5年後、亡くなったヒロインは昔の願いを叶えて欲しいと再び主人公の前に現れる。メンバーの様々な気持ちが交錯するなかで、それでも願いの答え、そしてその先にある本当に大切なものを見つけようとする。ファンタジーアニメであるが、大人に向けのノスタルジックストーリーである。
ストーリーにはいくつもの伏線が張られていて、クライマックスに向けて徐々に、そして最後は一気に回収されていく。相互作用する感情の動きが深くて複雑なため、終盤に進むにつれて涙の重みを受け止めるのが難しいところも多いだろう。それでも、個々が自分に向かっていたベクトルを告白するシーンは圧巻である。また、クライマックスでテーマ曲が流れ、最後のエピローグからタイトルを想起させる一連の流れは哲学的で奥深い。世代を超えて人気があるのは、そうした涙腺を誘うストーリーと並行して郷愁的想いや様々な愛の形などを再確認できるからだろう。
ストーリーにはいくつもの伏線が張られていて、クライマックスに向けて徐々に、そして最後は一気に回収されていく。相互作用する感情の動きが深くて複雑なため、終盤に進むにつれて涙の重みを受け止めるのが難しいところも多いだろう。それでも、個々が自分に向かっていたベクトルを告白するシーンは圧巻である。また、クライマックスでテーマ曲が流れ、最後のエピローグからタイトルを想起させる一連の流れは哲学的で奥深い。世代を超えて人気があるのは、そうした涙腺を誘うストーリーと並行して郷愁的想いや様々な愛の形などを再確認できるからだろう。
いずれにしても、見返す度に新しい「あの花」のことを思い出すことだろう。GHF(GHF’03)もそんなそんな花が咲く場所であって欲しいと願うのだ。劇場版は、「メンマへの手紙」と題してその1年後に舞台を移す。これは本編のダイジェスト版となっていながら、補足的な内容にもなっているので非常にありがたい。また、聖地巡礼(秩父市)でのグッズ販売や声優陣を中心にした夏フェスやラジオなどの関連企画も多く、いろいろな楽しみ方があるだろう。
※参考文献
超平和バスターズ、(2011 4月-6月)『あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない』A-1 Pictures
超平和バスターズ、(2011 4月-6月)『あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない』(劇場版)A-1 Pictures
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