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『マンガでわかる!小論文 頻出テーマ編』〜大堀精一先生の新書でテーマを徹底理解〜

 大堀精一は、「学研・進学情報」を監修し、小論文入試問題分析プロジェクトチーム編集長も兼任している、まさに小論文のスペシャリストである。『小論文 書き方と考え方』の著者で、私がこの分野で最も尊敬している方である。その方の新書が発売されたので、早速購入して読んでみた。

 マンガではあるものの扱っているものは大学入試小論文の頻出テーマに絞った良書である。扱われているのは、「格差社会」「人口減少」「社会保障・経済」「地域」「SNS・コミュニケーション」「情報産業・AI」「環境問題」「教育」「医療・福祉」「法・政治」「国際」の11分野である。親しみたすく読みやすさがある一方、内容はかなり重く、複数の新書の要点が2、3コマに凝縮されている箇所もある。それは大堀氏の見識・経験に深さからきている。また、各チャプターの最後には入試で狙われるポイントや用語解説も掲載されているので、特に重要なキーワードは確実に抑えられる。

 大堀先生には大変お世話になっているので、この本で登場人物が会話している内容の裏側が垣間見える。つまり、本書の特筆すべきところは、大堀先生の分析・ポイントを性格に再現し、漫画に仕立て直しているところである。前書『小論文 書き方と考え方』の理念も引き継がれている。もし受験生であれば、特に狙われる分野においてじは関連する入試課題文及び新書・文献にはできるだけ触れたい。

 私も今後は、小論文が入試に占める割合は増加するだろうと予測している。人物重視試験(総合型試験等)から難関私大等での個別試験などで出題が広がってきているからだ。そこで、私は、数年に一度改訂版を出しながら最新の時事問題に触れた内容で出版していただきたいと思っている。さらに、「テーマ編」となっているが、今後は別の「~編」が出ることを関係者から聞いている。出版まで待ち遠しい。いずれにしれも、本書は受験生だけではなく、社会に関わる私たちが「自分のことばを持ってリアルに生きる」ための必携本である。

 


※参考文献

大堀精一監修・マンガ おおつきべるの、(2022 9 13)、『漫画でわかる!小論文頻出テーマ編』Gakken

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