2017年2月22日、日本将棋連盟は将棋の電脳戦が終了を発表した。この時、私はこれから訪れるであろうAIとの共存時代の到来の予感として衝撃を受けた。(『電脳戦が終わる意味、2017年6月22日のブログ記事』)本書も将棋好きの筆者が同じ切り口からAI問題を議論していく。NHKスペシャル「人工知能 天使か悪魔か 2017」の続編となっている。
人工知能の第一人者が2045年のシンギュラリティを予告し、ディープラーニングが開発されることでAIが現実の私たちに及ぼす影響は大きくなりつつある。AIタクシー、AIトレーダーからAI裁判や医療事務(人事)。取材班がはるばる現地で得た証言やデータは説得力があり、主観が滲み出る箇所も、そこから生じた直感(エビデンス)として貴重である。
以下は本文からの引用であるが、「…」の部分にどんな言葉を補うかが問われている。「世界中のあらゆる司法制度は人間性の信頼の上に成り立っていなければなりません。」/「人工知能を使えば使うほど人間から遠ざかっていく…。」(122ページ)」、「人間を超える存在となった人工知能が政治家になり代わり(中略)『最適解』による政治を始めたら…。」
ここでいう「最適解」とは、コンピュータによる人工的な解答であり、それがタイトルの後半にあるように私たちにとっての本当に最適な解になっているかという問題提起になっている。AIが活用されてる具体的な場面とそこに生じる危険性や求められる倫理規範とは何か。理系的な専門用語はほぼなく、喫緊の社会問題としてAIとの共存の方向性を左探る絶好の新書である。
※参考文献
NHKスペシャル取材班、(2017 11 10)、『人工知能の「最適解」と人間の選択』NHK出版
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