• Tom Kurihara

『怒られ力 ー新社会人は怒られてナンボ!—』〜「怒られる」意味を知る〜

 周囲が驚くほど怒られたことがあった。それから、周囲が心配するくらい落ち込んでしまった。そんな夜に心の拠り所を求めて行き着いたのが、「怒られても凹まなくなる!“怒られ力”をつける5つの方法」という記事だ。怒ってくれる人は自分の味方であるという事実と、怒る側にも労力が必要である優しさに気付けた。これがきっかけで、この記事の著書を購入することに決めた。

 ステージ01「怒られる準備」からためになる話だ。新人向けとは言え、異動も含めて私たちが知っていくべき仕事の基本的な心得から始まっている。「しょうもないこいことをできへん奴はもっとしょうもない」「働く=ハタ(周囲)をラク(楽にする)」など名言が多い。また、信頼される上司の言動は、現場で信頼関係を築く上でぜひ実行していきたい金言だ。

 この本は構成やコンセプトがとてもユニークだ。それを読み進めていくと「レベルが上がる」ように設定されている。表紙がドラゴンクエストを想起させるのはそういった工夫だ。また、戦隊物を設定し、それぞれから読者が心得を学ぶようにしている。基本的に、精神論ではなく、筆者の経験を主体にして書かれているのだが、途中にバイオグラフィーを混ぜながら、仕事の意味や怒られれるこで開かれる境地を示している。ロジックよりも経験・感情で訴えながらも読者に飽きさせない工夫が面白い。

 最後に、「怒ってくれる人に感謝」という言葉も冒頭の経験につながっていて合点のいくものであった。私は打たれ弱いので、筆者のように強くなれるか分からないが、本棚の隅に置いていくのも悪くないと思う。

※参考文献

桂福丸、(2014・5・24)『怒られ力 ー新社会人は怒られてナンボ!ー』明治書院

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