大晦日 2022
今年の元旦の記事「謹賀新年 2022」では、”The Tiger who Came to Eat”(『おちゃをのみにきたとら』)を紹介した。物語の概要は、虎が突然ある一家に押し入り、食料を食べ尽くした挙句に立ち去るが、それでも家族の幸せは続くというものだ。それにしても虎の所業は図々しいにも程があるが、結局は子どもの読む空想の世界だと思っていた。
現実は虎の非礼をはるかに超えている。国際法を無視し、一方的に他国に侵攻した。ロシアのウクライナ侵攻である。一刻も早い終戦を祈るばかりである。もちろん戦争の真実は計り知れないところもあるが、確実に言えることがある。いかなる理由においても戦争は許されないということだ。
日本でも一方的に生命を奪う事件が起きた。法治国家の日本で元首相が暗殺された衝撃は大きかった。当初は民主主義の存続の危機を案じたが、今日現在では宗教法人に関する逆恨みと報じられている。それでも、宮台真司氏への襲撃事件のように暴力に訴える事件が後を絶たないことに私は危機感を抱いている。
年初の記事では、私は作者のバックグラウンドから戦争のアンチテーゼを推測した。冒頭の童話の作者がペンの力を借りているように、私たちも「書く」ことを通じて社会を変えていくことを主張した。今年一年を振り返るとその気持ちがより強くなっている。人類の強みは言語を操ることであり、論理で困難を乗り越えていきたい。
今年も1年ありがとうございました。良いお年をお迎えください。
※参考文献
Tom、(2022 1 1)、「謹賀新年2022」Seize the Sky
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「12/11 18:15 今年もいろいろありました。明日発表の「今年の漢字」は世相を表すので興味深いです。私の予想は「侵」で、個人的には「戦」が妥当かなと思っています。皆さんの予想は?」 これは日本漢字検定の今年の漢字が発表される前日につぶやいた内容だ。予想はは外れたが納得の内容だ。ロシアのウクライナ侵攻は、国際平和だけではなく、国連を初めとした平和維持の枠組みの在り方から世界経済まで多大な影響を