民主主義を守ろう
7月8日は学校行事の生徒の引率で外出中だった。ちょうど午前の部が終わり、休憩しているときに非常として携帯していた自分のスマートフォンが震えた。驚いた。元首相が銃撃されたのだから。それから、数十分後に心肺停止で搬送されたとい続報がきた。夕方、疲労困憊でいつもより早めに帰宅すると訃報が入った。
テレビをつけると対応した長崎県立大の会見していた。死亡判断の根拠に対する曖昧な返答などから、病院側も制限下で必死に回答している苦しさが伝わっていた。散見する情報からは、死亡判断の3要素は満たしていて蘇生は絶望的だったようだ。救急現場の対処は適切かといった質問は対応者に対して相当失礼だっただろう。そういうことで咎められてしまうのであればだれも緊急時に対応しなくなってしまう。
先頭に立ったりリーダーの取る責任レベルが命となれば、話は国家や歴史にまで広がる。日本の民主主義の危機である。選挙権を得るために世界史を通して大量の血が流された。戦後に政治家に対する暴力事件は散発したが、この事件が契機になるだろう。また、最近では民主主義の在り方や方法論に関しての議論が活発になってきただけに、今後はより深く考察していく必要がある。
歴代首相が暗殺される事件直後ではあるが、選挙権を行使しよう。民主主義は暴力に屈しないということを証明するために。
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