現地視察:最新の大学図書館
去年の春に早稲田大学の図書館がリニューアルされたと早稲田同窓生の雑誌でしった。その年の8月に訪問してみようと思ったが、都内の新型コロナ感染者数が8千人を超えたために断念した。逆に今回はスケジュール変更で東京の滞在期間が伸びたので、チャンスとばかりに行ってみた。
改修の中核になったのがLC(ラーニングコモンズ)だという。「自由に集まり意見を交わす現代的な学習を支援するための機能」で、無線LANや可動式の机や学習支援員の拡充等が代表的な特徴だ。
実際、目的別で4つのエリアに区分されている。図書館であるにも拘らず、会話が許可された閲覧や学習エリアなどの4つの目的別エリアがある。それに応じてどの程度まで音が出せる等の活動可能範囲が規定されている。一切の雑音が許されない空間「Super Silent Area」まであるが、全体的にアクティブな雰囲気があり、従来の図書館は静寂であるべきといった概念とは一線を画している。LA(ラーニングアシスタンス)が在中して資料検索等の指導をするなど、図書館事態が動的な性格を帯びてきている。
新しいコンセプトと最新の理論・研究が具現化された図書館は他の大学も注目し、視察に訪れているという。古くなったから綺麗にしたというものではなく、まさに「進化した図書館」という言葉が最適であることを実感したのであった。
※参考文献
早稲田大学校友会、(2020・4)『早稲田学報』
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