英語学習方法 〜英検1級突破へ向けて〜
《英語学習の理論》
英語と日本語の最も大きな違いの1つが単語の配列である。日本語は、「主語[S](+α)+動詞[V]」を基本と助詞のおかげで語順が比較的自由である。一方英語では、S[主語]+V[動詞](+α[要素])」の語順を基本にした4つのパターンSV, SVC, SVO, SVOの4つ(ただしSVOCはSVOの派生)でとなり、語順の置き方で意味が決定されていく。従って、中級者は、意味をサイト単位[意味のあるかたまり]で処理をしていくことである。結局、英語力とは、英語を語順通りに処理をしていく技術のことであり、「左から右に、上から下に」「自動的に」に使える「反射能力」である。そこで、最も有効な勉強方法は「音読」と「体験」である。Inputの技能である読む・聞くの技能向上のためにには音読をすることで英語の語順で理解することともに、Outputでは体験的に自動的にかつ無意識に処理をする訓練を積む。
語彙は、実践を通してその都度覚えていくのが良い。単語帳は特定の試験前に確認のために使用するべきである。(ただし、英検1級は先に単語集を終わらせるのは有効である。)ちなみに、辞書は検索時間省略を考えて電子辞書やオンライン辞書を使うべきである。
文法は、⑴4つの文型、⑵修飾方向、⑶配置転換、⑷時制、の4つをイメージを通して理解する。感覚的で俯瞰的な理解と訓練こそが反射的に英語を用いることと同義である。『ロイヤル英文法』『1億人の英文法』は必須の参考書である。
R Reading / L Listening 《受信型》
受信型の技能向上のために、参考書は2冊用意し、1つは書き込み用、もう1つは音読用として、以下の手順を基本することを勧める。
《英語学習の実践》
<Reading>
⑴ 時間制限、辞書・参考書等なしで解く
⑵ 無制限、辞書・参考書等ありで解く
⑶ 他者に答え合わせをお願いし、可能な限り自力で解く
⑷ 解答・解説を読み、辞書・参考書等で朱書きをしながら理解する (PINPOINT解法で解説の向こう側を読み解く)
⑸ 朱書きの英文を体に馴染むまで音読する
⑹ 白文の英文を体に馴染むまで音読する
<Listening (DLOS勉強法)>
⑴ 1度だけ聞いて理解力を確かめる
⑵ 回数無制限、辞書・参考書ありで聞く
⑶ ディクテーションをする 【D】
⑷ 再度、リスニングをしてみる 【L】
⑸ オーバーラッピングをする 【O】
⑹ シャドーウィングをする 【S】
<Writing / Speaking> [発信型]
発信型の場合、勉強法が共通している。以下の3点を意識しがら、体験していくことが重要である。
① 単純化[simplification]:日本語と同程度の表現を日本語でしようとすると無理が生じるので、いかに簡単な表現で言い換えできるかを考える。また、A→A’→Aのようなロジックを組むことで限られた条件の中でも正確でシンプルな主張等を伝えることができる。
② 矯正[correction]:文法的にはあっていても英語の表現として正しくないものが多い。例えば、コロケーションである。ネィティブスピーカーに矯正してもらいながら言い回し等を真似ることで正確さが増す
③ 不完全[imperfection]:完璧な自分を求めず、あくまで第2言語の使用者としての流暢さと正確さを求める
以上を踏まえて、できるだけ多くの場数を踏む。考えるよりも体が自然に動くようにしたい。
最終的には、語彙力、背景知識、訓練時間といった訓練の継続が重要となってくる。
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