top of page
  • Tom

常識を疑え!


 「市役所の仕事にどういうイメージがありますか。」大学院時代の教授が学生にこう問いかけた。たいていの回答は、仕事が固い、柔軟性がない、といった否定的な意見だった。しかし、そこで教授がこう切り出した。「逆に言うと、役所の人の仕事は信頼性や正確性が高いということではないですか。」

 同じ話はいくらでも当てはめられるだろう。「自然環境問題は地球にとって喫緊の問題である。」答えは、必ずしもイエスではない。なぜなら、環境問題はあくまで人間にとっての脅威であって、むしろ野生の動植物や大地は人間がいないほうが破壊されないかもしれない。村上龍の『13歳のハローワーク』一節にもある。

 常識を疑うには、様々な背景知識が必要だ。政治・経済に始まり、歴史・人類学から数学や文学の総合的知見が必要だ。知らないことは語れないのだ。一見自分には関係のない、興味のないことでも、それがどこでどのように自分の関心ごとに結びつくかは分からない。知識がないと情報。基盤社会では弱い立場に置かれてしまう。

 批判的な視野で物事を考えることで、物事の本質を見抜ける。語れる人間を目指したい。常識を疑おう。

参考文献

村上龍、(2010)『13歳のハローワーク』


1 view

Recent Posts

See All

新型コロナウイル感染が世界中に拡大し、医療・経済・教育などあらゆることが変化し、多くの議論が行われている。現実問題として医療や経済などに目が向かいがちであるが、終息する気配もなく、どこが退廃的な雰囲気が醸成されているのはなぜだろうか。 大澤真幸の論考「不可能なことだけが危機を乗りこえる」(『思想としての新型コロナウイル禍』)はその中でも社会学の視点で論理的にコロナ禍を考察し、今後の展望を述べている

AIの本質を探り、今後の人類のあり方や生き方を模索することは現代社会の大きな議論の一つである。本書は、テクノロジーと生き方の手助けになると思い長期休暇を利用して上下巻を読破した。著者のユヴァル・ノア・ハラリはヘブライ大学の教授で専門は歴史学である。『サピエンス全史』で世界的なベストセラーだ。ちなみに、訳者あとがきは難解な文章の解説的な役割も果たしている。 人類の歴史と展望について、難解な部分もある

熊代亨は著書『健康的で清潔で、道徳的な秩序ある社会の不自由さについて』の中以下のような指摘をしている。現代の私たちは、売買やコミュニケーションを担保する法制度と空間設計、それらに適した通念や習慣が徹底された社会の仕組みから便宜を得られる人がいる一方で、人々が他者と共有できない世界観の存在を見落とす可能性がある。こうした仕組みは私たちを効率性や社会契約の内側へと訓練し続け、内面化された通念や習慣から

Featured Posts

Categories

Archives
bottom of page