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グローバル社会の論点整理 2016

  • Writer: Tom
    Tom
  • Jun 24, 2017
  • 3 min read

Updated: Aug 1, 2021


グローバル社会の論点整理

 科学技術・情報技術の革新において激動する世界、それがグローバル社会である。人・物・金・情報が瞬時に世界を駆け回る人類の進歩であるが、近年はその否定的な側面が議論さることも多い。根底にるのが「格差社会」という問題である。グローバル化という止められない潮流の中で、地域・労働・医療と格差は深刻に広がっているのである。

 日本は第二次産業革命の総中流から第三次産業革命の二極化の時代に入った。若者が地域を離れ、個人主義が浸透して共同体の喪失が現れた。人材や年齢に偏りが出るなど、多くの点で地方と都市に「格差」が生じた。しかし、限界集落では共同体が崩壊するわけでもなく、一方で都市は孤独死やインフラの部分崩壊など本当に脆弱性があるのはどちらか不明瞭な時代でもある。

 マイケル・サンデルは第三次革命の市場的価値、至上主義社会の「限界」を示し、スイスの放射性廃棄物質貯蔵施設を無償で提供した寒村に正義・自由・道徳の価値判断の重要性を説いている。一方、フランスの経済学者ピケティは格差社会を世界規模のデータで考察している。彼は各国のトップ0.1%の所得シェアの各国の比較をし、その上位が占める割合は増大傾向にあることを突き止めたのである。

 これからの動きを捉えるのに、約40年前の出版ではあるがトインビー予言は示唆に富んでいる。それは、西洋文明は世界文明に変質し、西洋はその優位性を失って非西洋の内的多様性が広がっていくというものである。冷戦後のナショナリズムと情報技術が錯綜するによる新たな局面を予想したのだ。日本でもSNSを使い若者が憲法改正や日米安全保障で大きな声を上げたのはその一例かもしれない。ただし、若い世代の投票率は低く、政策が年配向けになって現実と政治に大きなギャップと閉塞感も生まれてい。

「格差社会」は私たちの生活に直結する大きな課題だ。日本は、日本はセーフティーネットが弱く、「敗者復活戦」を求めない風土がある。格差を助長するような制度を変えるためにも、利権と保身ばかりの政治を変えないといけない。国民が常に意識を持って社会や政治を監視する姿勢が重要だ。日本では、一度正規の雇用ルートからはずれると、敗者復活戦で勝ち抜くのだ大変だ。

 そして何よりも「格差社会」を生き抜くには、将来を見通した選択と行動力が問われている。今後起こり得るシンギュラリティーを考えれば、どのように働いていくかということは、実は喫緊の課題なのである。つまり、自分の子どもや担当している生徒たちだ。この選択で本当に長い将来を戦えるのかということだ。親として言葉は悪いが、将来「負け組」とならないように、想像力と人間性で勝負していかなればならないという危機感を強く抱いている。

※参考文献

マイケル・サンデル、(2012)、『それをお金で買いますか』早川書房

トマ・ピケティ、(2013)、『21世紀の資本』みすず書房


 
 
 

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