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クレームという名のブーメラン

Tom

 クレーム社会である。お金を払えば何をしても許されるといったクレーマーが多い。モンスターという接頭辞がついた流行語もある。そうした過度なサービスを求めることは、結局自分を苦しめることに他ならないことを当事者は気づかない。

 ある消費者の「主張」が仕組みの大勢を動かすような理不尽なものであったときのロジックは面倒だ。もしその要求に屈した場合、それ以降の要求にどう折り合いをつけるかを考えなければならない。「クレーム」はどれほど困難であっても簡単に妥協できないのだ。

 社会がそうしたクレームを当たり前の「権利」だと謝って流布されてしまえば、いたるところでクレーム対応に追われることになる。休日にクレームを言っていた人間は、翌日の出勤日にはその立場を完全に失っている。

 クレーム社会は、サービスの質を向上させない。いかにクレームをつけられないかに神経を尖らせ、穏便に過ごす方法論を追求することになる。客、保護者、患者、利用者、…。サービスの需要と供給のあり方を考える時期に来ている。


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