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オリンピックと平和


 2016年の夏は、世界中で多くの人がリオデジャネイロ・オリンピック釘付けになった。一度でもそのスポーツをやったことがあれば、その美技に魅了されたことだろう。かつて2度の世界大戦で中止になったことを考えれば、こうした国際的なスポーツ大会が開かれることを願わずにはいられない。まさに平和の祭典であると言える。

 一方で、この舞台裏では人間の悲しい闇の性が渦巻いていた。未然に防がれたものの、テロの惨事の可能性は十分にあった。観光客だけではなく、金メダリストが乗った車まで強盗に襲われたというのだから恐ろしい。また、不正をしてまでメダルの数で国力を示そうとする姿勢に興ざめするところもある。はたしてメダルの数や国力誇示にこだわる明確な合理性あるのあろうか。

 日本に焦点を絞っても、大会開催中に隣国の挑発が激しい。領土問題に関しては国際法も遵守されない状況で、首脳陣の関係改善のためのコメントも虚しく聞こえる。広島・長崎の原爆の日では一向に世界の足並みは揃わない。終戦記念日でも「純粋に」祖先の魂を敬う行為すら憚れる国際情勢である。

 近年、グローバリゼーションとナショナリズムのバランスが大きく変わりつつある。2020年の夏季大会は、東京だ。私は、とりわけ、テロとの戦いを含めた国防や安全保障、「おもてなし」のオリンピックを目指す最重要課題の1つであると考える。


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