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うるさい「騒音」問題


 除夜の鐘は大晦日から新年を跨いで108回突かれる。深夜の「ご~ん」という音を聴きながら気持ちを新たにする人も多いだろう。ところが、その厳かな音を「騒音」だとクレームを入れる人がいる。「寺の周辺に住むようになった新しい住民にも対応する必要があり、いろいろな形を模索する時代」らしい。

 保育施設の子どもの声も騒音だとして自治体に苦情を出す人がいる。実際、主要146自治体中の109自治体では何らかの苦情を受けているという。およそ75%である。地域社会の顔の見えない分断がこのような事態を招いているという声がある。なんと「騒音」に不寛容な時代になってしまったのだろうか。

 人は音を「共有」できないと不快に感じるのだろう。例えば、電車で友達同士が会話を楽しむことに誰も意義を唱えないが、携帯電話をしているビジネスパーソンには厳しい目が向けられる。集団での立ち位置が重要視される日本独特の歴史的文化である。

 それが、悪い意味で表面化したのがこの「騒音」問題だ。地域の分断や過度な権利主張などが遠因である。自分とは関係のない私的な領域において、子どもの声までが「騒音」となるかどうかは、歪んだ社会の我々への「警告」である。

※参考文献

読売新聞、(2016,12,29)


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