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歌詞の力 〜浜崎あゆみ〜


 1990年代後半の小室ファミリー以降に出てきた歌姫が宇多田ヒカルと浜崎あゆみだ。この2人は、特に歌詞で特徴を捉えると面白い。前者は今までの日本にはなかった独特のリズムで歌詞を歌っている。一方の浜崎あゆみの人気の秘密と言えるのは歌詞そのものである。

 「いつか永遠の眠りにつくその日までどうかその笑顔が絶え間なく続くように」「伝えたいことばは溢れるのに ねぇ、うまく言葉にならない」「青い空をともに行こうよ」。キャッチーな曲と当時の思い出が蘇ることもあるだろう。

 過去に父親に捨てられ確かに過去や、一人称で語られる等身大でリアルな現実を描いた歌詞は若者の代弁者だった。恋愛の表裏も絶妙な言葉で綴っている。ところが、ある時期から有名人として自分のだけの孤独など、一般人の感覚とはかなりかけ離れた表現者になっていた。

 浜崎あゆみが平成の歌姫として一時代を築いたのは間違いない。ただ、人が変われば歌詞も世界観も変わるのだろう。だからこそ、もう一度あの眼差しで現実や人間をするどく描写して欲しい。私たちが彼女に求めているのは「私たちの共感」なのである。

※参考文献

『Dearest』、(2002)、浜崎あゆみ

『No way to say』、(2003)浜崎あゆみ

『Blue Bird』、(2006)、浜崎あゆみ


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