top of page
Tom

英語教育は「加点法」だ!


 新しい大学入試の形を目指して、英語教育の改革が始まっている。従来の文法・読むに特化したペーパー試験から、話す・書くを含めた技能重視の試験に移行していくことになる。しかし、過渡期である現在は理想と現実が乖離している言わざるを得ない。

 結局、定期考査では文法・読解を測るペーパーが作成され、当然ながら評定も定期考査最も重要となる。だから、自分を自由に表現する能力などよりも、正確に解答を書ける能力など長けているほうが学校社会では有利な立場になる。

 そのようなシステムになっている理由はいくつかあるが、最大の問題点は多くの生徒を短時間かつ公平に評価するにはペーパーが楽だからである。1人の教員に対して扱う生徒の数が多いのだ。これは教室だけではなく、大学入試の抱える根本的な問題なのである。

 新大学入試では、録音式の会話テストを導入するらしい。入試が変われば指導も変わっていくだろう。しかし、今の日本には教員数、お金、そして指導と評価の連続性など、あらゆる改革が必要なのだ。いつかは学校の英語教育の風土が、「減点法」から、「加点法」になるのだろう。


18 views

Recent Posts

See All

『マンガでわかる!小論文 頻出テーマ編』〜大堀精一先生の新書でテーマを徹底理解〜

大堀精一は、「学研・進学情報」を監修し、小論文入試問題分析プロジェクトチーム編集長も兼任している、まさに小論文のスペシャリストである。『小論文 書き方と考え方』の著者で、私がこの分野で最も尊敬している方である。その方の新書が発売されたので、早速購入して読んでみた。...

第10回 夏の教育セミナー 2023〜生成AI時代の教育とは〜

夏の教育セミナーは新型コロナウイルス感染防止の観点からオンラインが続いていたが、4年ぶりの会場実施となった。ただ、私は諸事情で会場に参加できず、目の前で感じられる講師の熱弁や分科会の模擬授業を体験する機会などを得られなかった。ただ、オンラインでも東京及び大阪での実施を録画再...

第9回 夏の教育セミナー 2022〜高大接続改革の脆弱性〜

第9回夏の教育セミナー(日本教育新聞・株式会社ナガセ主催)が今年もオンラインで行われた。例年以上に講座が豊富で、収穫が多く勉強になった。今年の目玉は、高等学校の新学習指導要領の施行に伴い、令和7年度の共通テストの内容とそれを考慮した授業改善だろう。特に、指導と評価の一体化の...

Featured Posts

Categories

Archives
bottom of page