英語教育は「加点法」だ!
新しい大学入試の形を目指して、英語教育の改革が始まっている。従来の文法・読むに特化したペーパー試験から、話す・書くを含めた技能重視の試験に移行していくことになる。しかし、過渡期である現在は理想と現実が乖離している言わざるを得ない。
結局、定期考査では文法・読解を測るペーパーが作成され、当然ながら評定も定期考査最も重要となる。だから、自分を自由に表現する能力などよりも、正確に解答を書ける能力など長けているほうが学校社会では有利な立場になる。
そのようなシステムになっている理由はいくつかあるが、最大の問題点は多くの生徒を短時間かつ公平に評価するにはペーパーが楽だからである。1人の教員に対して扱う生徒の数が多いのだ。これは教室だけではなく、大学入試の抱える根本的な問題なのである。
新大学入試では、録音式の会話テストを導入するらしい。入試が変われば指導も変わっていくだろう。しかし、今の日本には教員数、お金、そして指導と評価の連続性など、あらゆる改革が必要なのだ。いつかは学校の英語教育の風土が、「減点法」から、「加点法」になるのだろう。
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