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将棋の魅力


 将棋は亡き祖父から教わった。プロが使用する大きさの半分ほどの厚さの将棋盤があった。真偽は分からないが、大工であった祖父の手作りだと思っていた。どうやって駒の動かしたかを教えてもらったのかも覚えていない。」でも、気付けばかなり夢中になっていた。日曜日の朝の将棋講座を見ながら、谷川浩二の「光速の寄せ」将棋に憧れた。

 将棋は、初期配置こそ決まっているものの、そこからどのような攻撃体制、守備陣を築くかは自由に選択できる。一気に攻めて行くか、ゆっくり守りながら攻略して行くか。相手の駒の動きを見ながら合理的で慎重に、時には激しく勝負手を放つ。攻め過ぎれば脆くなり、守ってばかりでは相手を捕まえられない。このバランスを保つのが将棋の醍醐味で、プロの美しい将棋を見る楽しさでもある。

 日本将棋連盟は学校教育等の普及に力を入れている。自分の読みを入れるときに、相手の動きを予想しながら何通りもの可能性を探っていく。負けた時は潔く負けを認める。派手な所作を用いず、常に相手の立場を考えて行動するのは将棋持つ伝統的精神だ。

 30年近くも前に弟と指した棋譜が出て来た。その時代の流行や思考の過程がそのまま残されてる。将棋は、頭脳の格闘技と言われる。スポーツと比べて年齢が上がっても極端に力が落ちないことも魅力である。

※参考文献

日本将棋連盟公式HP


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