• Tom Kurihara

『The Little Prince』 〜Anything essential is invisible to the eyes〜 (Revised Ver.)


 『The Little Prince』は、著者はフランス人のサン=テグジュベリ。原典はフランス語だが1943年にアメリカで出版された。日本では、観光名所として星の王子様ミュージアムなどもある。児童文学の世界的作品だ。子どものときには誰もが持っていた純粋で、ノスタルジーの心を思い出せてくれる。

 作品は、冒頭の”boa constrictor”から王子様の旅立ちまで子ども純粋な視座で一貫している。特に、王子が地球に向かう前に出会った6人の大人も子供目線からみた大人の不思議な実態を軽妙だ。大人が不必要なほどに抱える、体裁・利己主義・矛盾・形式化・従順・理論偏重を描き出しながら、子ども目線からの純粋な視点で批判は、私たちへの「気づきのヒント」に近い。さらに、最後は、星の王子様が「星に帰る」のだが、生死はその明らかにされていない。しかし、本当に作者が伝えたかったことは、大人がそうしたことに執着してしまうことへの巧妙な異論だ。

 私が読んだのは英語版で原語ではないのだが、翻訳者の英語の美しさにも大きく魅了された。そうしたコンテクストにおける数々の名言の中でも、やはり珠玉の名言はこれである。”One sees clearly only with the heart. Anything essential is invisible to the eyes.”(心の目で見るんだよ。本当に大切なものは目に見えないんだ。/裏C訳)ここまでのストーリーラインから突出することなく、しかし、読むものの心に永遠に刻み付ける力強いメッセージ性を与えている。

 『星の王子様』は、ここで紹介されている以上に、様々な解釈が可能であり、多くの示唆に富んでいる。文学作品として深く理論的に感じてみたい作品だ。

※参考文献

『The Little Prince』(A HARVEST BOOK HARCOURT, INC.)、(1943)サン=テグジュベリ


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