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『できる人の教え方』 〜5者たれ!満足度×伸び率!〜

 大学院時代は手元に持ち歩いていた「愛読書」だ。2ページ目にある切り取りできる教え方のシンプル項目は、コピーしてからデスクマットに挟んで使用した。英検主催の講演会では、サインをもらって激励の言葉をもらったのを覚えている。

 この本が優れているのは、学者などが教育学的に示す理論的な根拠ではなく、筆者の持っている具体的なテクニックそのものである。それもマニアックなものではなく、汎用的なものばかりである。そして、それが段階や内容によってシンプルにまとめられているので実践に移しやすい。また、体験談から導かれる指南は、同じ境遇の立場にいる者にとっては大きな勇気を与えるものにもなっている。格言に近い成功者の直伝のメッセージだ。

 「教師たるもの5者たれ」は、私の大きな道標だ。例えば、「100を知ってこそ1を教えられる」=「学者」、「人を惹きつける力を追っているか」=「役者」であれといったことだ。だから私は、英語教育に関わるのであれば、英検1級は持っているべき(最低でも準1級以上は必須)だと思う。また、生徒の習熟段階に応じた対応や講義内容の構成方法、配布資料の工夫まで幅広く技術が紹介されている。知っておけばすぐに使えるものばかりだ。

 教えることの最大の目標は、「満足度x伸び率」であるという。生徒や受講者から評価が高くとも、相手に何も伝わっていないのであれば意味がない。そして、そのまた逆のしかりである。しかし、「満足度x伸び率」の可能性を信じて、日々研鑽するもが教えるも者の試練である。この本はその大きな一助になるのである。

※参考文献

安河内哲也、(2007)『できる人の教え方』(中経出版)

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