1990年代のSF映画(GHF「誰かが一言復刻版」)
復刻版の第2弾。同じく8年前に執筆。当時、最も好評の良かった作品の一つである。
(注:表現等一部変更)
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・1990年代のSF映画
「1990年代のSF映画と言えばやはり、『Independence Day』・『Armagedon』『Deep Impact』の3つだと思うなぁ。内容的なものや、時期がそれぞれの映画を関係せざるを得なくなってるみたい。
どうやらアメリカ人はこの手の映画に基本的に次の要素を期待するみたいだ。
1.恋愛などでパートナーと複雑な事情を持ち
2.有名な俳優が演じ
3.世界を背負って
4.困難に立ち向かって
5.自己犠牲の代償に地球を救う
さて、この3つの映画は上の条件をほどよく満たせている。まず先行の、『Independence Day』は5つの条件にCGを使って迫力満点に作り上げてるから、多くのアメリカ人は無意識に文句無く楽しめるんだとおもう。そして皮肉なのが『Deep Impact』。『Armagedon』と同時期に後発されたために、そのDEEPさが伝わらないことが多いみたい。はっきり言うとアルマゲドンは単純で長たらしいストーリーに幼稚なキャラクター、それでいて予想できる結末…。それに比べると『Deep Impact』は衝突前の人間のドラマをそれぞれ、死ぬ運命の人間、死ぬことを選択する人間、死ぬことで他人を救う人間の3重に計算高く展開させる。実際、タイトルの“Deep”にはさまざまな意味が含まれているようだし。ただ、時代の流れに流されてしまい、『Independence Day』からアメリカ人の傲慢さが出てきてしまっている。それは、舞台設定、核爆弾の使用決断シーン、大統領の言葉に表れる。で、『Deep Impact』はそれを極めてしまっている。また、内容が“Deep”すぎて単純に津波のシーンが薄くなってしまっている。結果的に『Armagedon』に感動を奪われしまい、大衆的に受けなかったみたいだ。演出面に欠点があるのは多くの人が感じてるけどね。でも、個人的にはもうお分かりのように、『Independence Day』『Deep Impact』がお勧めかな。」
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※参考文献
裏C、2002、「誰かが一言」