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大学入試の「過去問」問題


 私が大学受験をした時なので、だいぶ昔の話ではあるが、某大学の文学部を滑り止めで受験したときに、かつて解いたことのある英文が出た。おそらく予備校のテキストかどこかで勉強したのだろう。テキストや参考書は過去問を活用することが多いため。だから今思えば過去問の再利用だった可能性が高い。実際、大学入試の過去問の使い回しは私の世代から徐々に増えてきたようである。

 今年の受験は、京大・阪大の入試ミス等をきっかけに世間の目が厳しくなっている。背景には、作問における質の担保の限界やAO入試の多様化があるという。例えば、英語ではその大学にふさわしいレベルの原典を集め、検討・確認等が必要になる。非常に量力がかかる作業だ。ただ、こうした過去問の使い回しは、日本の英語資格試験でも使われている。英検ではリスニングの一部でナレーションを変えただけのものが出題されるし、TOEICやTOEFLでも問題の一部で過去問を使うことがある。あまり知られていない事実である。

 それでは、大学入試と英語資格試験の違いは何か。それは、前者は問題と解答が広く共有されるが、後者の場合は問題を復元することが難しいからである。例えば、英検の場合は出題されている過去問はすでに絶版等で入手が困難である。また、TOEICやTOEFLでは問題の持ち帰りが出来ない。大学入試に比べるとより機密性が高い。要するに、大学入試の試験の質と公平性をどのように保つかが大きな課題なのである。

 蛇足になるが、私の記憶が正しければ、最初に述べた大学には合格することが出来た。この結果をどう見るか。必死に勉強したご褒美か、それとも運に左右された不公平な結果か。今年も多くの受験生が偶然によって一喜一憂しそうである。

※参考文献

読売新聞、(2017 2 28)、「大学入試『過去問』出題増加…かつてはタブー視」、「大学負担増 ミス誘発 全学部統一・AO…入試多様化」


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