住居と思い出

March 21, 2018

 実の弟が小さな針で私の指を刺す。ものすごく痛い。あまりの痛さに目が覚めた。すると指先には同居していたネズミがいた。「ネズミに指を噛まれたのですが、どう処置したら良いですか?」夜中だったが心配で医療機関に電話したこと思い出す。

 その数年前、私はオーストラリアのパースに住んでいた。始めは右も左も分からないのでホームステイにした。そこでは一番奥の部屋を使わせてもらったが、トイレもシャワー室も鍵が掛からないことに少し戸惑った。少し慣れてきてからは、金銭的な理由から仲良しになった友達とシェアハウスに住んだ。その友達と引越しの日にワクワクしすぎて買い物が持てなくなりタクシーを使って帰った。机を買うお金がなかったので、敷地に置いてあった長い板を机がわりにした。スワンリバー沿いのアパートは夢のお城だった。

 帰国してからは、教員になり冒頭の話に戻る。私は野球部の部室に住んでいたのだ。部室寮の管理を任される代わりに、水道やガスなど無料で使えた。でも、部屋は野球部のミーティングルームだったので、20畳以上はあった。一人で住むにはあまりに広すぎた。休日は窓を開ければ野球部が練習していた。家に帰ってドアを開けると同居のネズミがお迎えしてくれたというわけである。

 ちなみに早稲田大学には中野に国際学生寮があり、4人一組の寮生活が出来る施設があるのを知った。異文化交流はもちろん独自の教育プログラムやスポーツジムなど充実した施設となっている。間違いなく多くの経験や価値観を共有できる思い出の生活になる場所だろう。そこで出会えた仲間も欠くことができない人生の一部だ。さすがに、ネズミはいなだろうけど…。

 

 

※参考文献

早稲田大学校友会、(2018.4)『早稲田学報』

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