• Tom Kurihara

教員採用試験論文対策 課題②「確かな学力」


教員採用試験論文対策②「確かな学力」(2012)の模範解答である。(一部訂正している。)

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「確かな学力」('12)<1500字程度>

 私は、「確かな学力」とは、基礎的・基本的な知識・技能を習得すると共に、それらを活用するための思考力・判断力・表現力までを含むものであると考える。ところが、私が英語科教諭として勤務をした学校の生徒は、生徒自身が意見を簡潔に述べる記述問題になると、途端に白紙の割合が多くなった。また、生徒は、テストが終わった途端に学習に対して無気力になってしまう傾向もあった。

 そうした生徒の実態の原因は、生徒が「確かな学力」を十分に身に付けていないからであると考える。従来、日本は、受験戦争の激化によって知識や技能の詰め込みが主流であったために、思考力・判断力・表現力の育成が後回しになった。このことはPISAなどの国際学力調査においても明らかとなっている。また、高度経済成長を経て、多くの家庭に経済的余裕が生まれ、同時に、大学全入時代が到来したことで、生徒は以前の世代に比べ、より豊かな生活を求めようとする向上心が低下し、学ぶ意義や目標を失っている。

 よって、私は、「確かな学力」に関して、2つの課題があると考える。第一に、基礎的・基本的な知識や技能の習得とその活用する力を育成することである。そこで、既習事項を用いて意見交換をし、論理的に考察することを目標とするグループ学習や創作活動等を取り入れた指導方法が必要である。第二に、興味・関心を持って学ぶ意欲及び態度を育成することである。そのために、学校図書館等を活用して生徒が主体的に活躍する場を広げ、生徒の長所を伸ばして生徒が自信を持つような評価をするといった指導体制の工夫・改善が重要である。

 このように、「確かな学力」の育成は喫緊の課題であると考える。

 私は、高等学校の英語科教諭として、「確かな学力」の育成を目指して、英語の授業で次のように実践する。

1.英語新聞を作成して基礎的・基本的な知識の習得とその活用力を育成する  私が以前、私立学校の英語の授業で生徒が教科書の内容をまとめるグループワークを取り入れたところ、生徒はいききと学習に取り組み、有効であった。そこで、学習単元のテーマについてグループで英語新聞を創作する機会を設ける。例えば、キング牧師を扱った単元では、記者になりきって当時の歴史的背景や人権問題をまとめる。また、できあがった作品は、パワーポイントを活用しながらプレゼンテーションさせることで生徒の表現力等を育成する。

2.英語スピーチを通して英語でコミュニケーションできる喜びを感じさせる  授業にゲームを取り入れたところ、生徒が英語に対して興味・関心を高めたことを体験的に学んだ。そこで、英語での手品大会を企画し、学校図書館や情報教室を活用し、さらに、相手の立場に立ってスピーチをするための英語表現を生徒に考えさせる。発表当日は、家庭や地域の方々を審査員やゲストとして招待し、生徒はハート形のカードに発表者の素晴らしかったところを書き込んで発表者に渡す。最後に、活動の報告を学校ホームページに掲載し、また、それ以降の生徒の変容の様子は学級通信にまとめて、学校、家庭、地域に発信することで、生徒と共に達成感や充実感を分かち合う。

 「確かな学力」の育成は、現在、最も叫ばれている教育課題である。私は、生徒の「確かな学力」の育成のため、校長の指導の下、常に創意工夫と改善を重ね、大いに努力していく。


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