top of page

英語教育推進リーダー中央研修還元研修


 英語教育の大きな変革の中で、「英語教育推進リーダー中央研修還元研修」というものがある。ある研修会では、参加する英語教員は生徒役となり、Listening」といった4技能の指導法はもちろん、「Vocabulary」や「Classroom English」までコミュニカティヴ・メソッドを体験的に学ぶ。参加校は都内トップクラスの進学校から偏差値のつかないボーダーフリーの学校まで様々だが、都立教員は異動があることを考えれば、たとえ即効性がないとしても、学校の実情に合わせた指導の改善や工夫ができるだろう。

 システムは以下のようになっている。文部科学省が外部専門機関であるブリティッシュ・カウンシルに研修を委託する。(校種が高校の場合は)英語科の教員の中から推薦を受けた者が中央「英語教育推進リーダー中央研修」を受講する。その研修で学ぶ指導方法は「アクティヴ・ラーニング」をベースにした「コミュニケーション」を中心にしている。中央研修受講者は、「体系を学ぶ」「実践してみる」「伝達する」の3つのステップを踏む。従って、受講者は、学んだ指導方法等を等を英語科教員への研修実習で伝える。この研修が冒頭の「英語教育推進リーダー中央研修」である。中央研修から始まる一連の研修を完遂した教員は「英語教育推進リーダー」として認められることになるのだ。

 この還元研修は、文科省としては苦肉の作なのだろう思う。中央研修と同等の研修機会を提供したいが、時間的にも金銭的にも非常に難しい。リーダー的な存在に指導方法を託し、それを悉皆研修の形で広めていくことで「全員」に浸透させるのだ。しかし、残念ながら現場には温度差がある。それは、小野推進事業係長も「中央研修を受講して刺激を受け授業改善に取り組もうと意欲を示した先生方が、実際に勤務校に戻ったときに、周りに先生方との温度差を感じる」と述べている。そもそもこうした研修に参加する意欲がまったくない。その理由としては、現場では、進学校・中堅校では「点数の取れる授業を!」となるし、底辺校では「そもそも英語で授業が出来ない…」となる。これは一例だが、結局は、何かと理由をこねくり回して従来の英語教育にしがみつく英語教員が多いのだ。

 それにしても、こういう研修に参加すると、いろいろな先生方が様々な努力をし、多くのアイディアな教材があるものだと感心する。今後、英語科教員の大多数が同じベクトルを向き、膨大な知識と技術・経験から、驚くような有益な指導方法を共有できることを期待したい。

※参考文献

日本英語検定協会、(2017 7)、『英語情報 2017年 秋号』


96 views

Recent Posts

See All

『マンガでわかる!小論文 頻出テーマ編』〜大堀精一先生の新書でテーマを徹底理解〜

大堀精一は、「学研・進学情報」を監修し、小論文入試問題分析プロジェクトチーム編集長も兼任している、まさに小論文のスペシャリストである。『小論文 書き方と考え方』の著者で、私がこの分野で最も尊敬している方である。その方の新書が発売されたので、早速購入して読んでみた。 マンガではあるものの扱っているものは大学入試小論文の頻出テーマに絞った良書である。扱われているのは、「格差社会」「人口減少」「社会保障

第10回 夏の教育セミナー 2023〜生成AI時代の教育とは〜

夏の教育セミナーは新型コロナウイルス感染防止の観点からオンラインが続いていたが、4年ぶりの会場実施となった。ただ、私は諸事情で会場に参加できず、目の前で感じられる講師の熱弁や分科会の模擬授業を体験する機会などを得られなかった。ただ、オンラインでも東京及び大阪での実施を録画再生してもらえるハイブリッド形式であったのは有り難かった。 基調講演のタイトルは「教育改革の最新の動きを知る」だが、現行の共通テ

第9回 夏の教育セミナー 2022〜高大接続改革の脆弱性〜

第9回夏の教育セミナー(日本教育新聞・株式会社ナガセ主催)が今年もオンラインで行われた。例年以上に講座が豊富で、収穫が多く勉強になった。今年の目玉は、高等学校の新学習指導要領の施行に伴い、令和7年度の共通テストの内容とそれを考慮した授業改善だろう。特に、指導と評価の一体化の理論と実践には多くに関心が集まっていたようだ。また、カリキュラム・マネジメントや指導方法の改善による学校改革まで盛り込まれてい

Featured Posts

Categories

Archives
bottom of page