英語教育推進リーダー中央研修還元研修

December 2, 2018

 英語教育の大きな変革の中で、「英語教育推進リーダー中央研修還元研修」というものがある。ある研修会では、参加する英語教員は生徒役となり、Listening」といった4技能の指導法はもちろん、「Vocabulary」や「Classroom English」までコミュニカティヴ・メソッドを体験的に学ぶ。参加校は都内トップクラスの進学校から偏差値のつかないボーダーフリーの学校まで様々だが、都立教員は異動があることを考えれば、たとえ即効性がないとしても、学校の実情に合わせた指導の改善や工夫ができるだろう。

 システムは以下のようになっている。文部科学省が外部専門機関であるブリティッシュ・カウンシルに研修を委託する。(校種が高校の場合は)英語科の教員の中から推薦を受けた者が中央「英語教育推進リーダー中央研修」を受講する。その研修で学ぶ指導方法は「アクティヴ・ラーニング」をベースにした「コミュニケーション」を中心にしている。中央研修受講者は、「体系を学ぶ」「実践してみる」「伝達する」の3つのステップを踏む。従って、受講者は、学んだ指導方法等を英語科教員への研修実習で伝える。この研修が冒頭の「英語教育推進リーダー中央研修」である。中央研修から始まる一連の研修を完遂した教員は「英語教育推進リーダー」として認められることになるのだ。

 この還元研修は、文科省としては苦肉の作なのだろう思う。中央研修と同等の研修機会を提供したいが、時間的にも金銭的にも非常に難しい。リーダー的な存在に指導方法を託し、それを悉皆研修の形で広めていくことで「全員」に浸透させるのだ。しかし、残念ながら現場には温度差がある。それは、小野推進事業係長も「中央研修を受講して刺激を受け授業改善に取り組もうと意欲を示した先生方が、実際に勤務校に戻ったときに、周りに先生方との温度差を感じる」と述べている。そもそもこうした研修に参加する意欲がまったくない。その理由としては、現場では、進学校・中堅校では「点数の取れる授業を!」となるし、底辺校では「そもそも英語で授業が出来ない…」となる。これは一例だが、結局は、何かと理由をこねくり回して従来の英語教育にしがみつく教員が多いのだ。

 それにしても、こういう研修に参加すると、いろいろな先生方が様々な努力をし、多くのアイディアな教材があるものだと感心する。今後、英語科教員の大多数が同じベクトルを向き、膨大な知識と技術・経験から驚くような有益な指導方法を教諭できることを期待したい。

 

 

※参考文献

日本英語検定協会、(2017 7)、『英語情報 2017年 秋号』

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