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英語民間試験導入反対論者からの電話 〜隙を見せずに議論する II〜


 突然、職員室の私に電話が来た。前回の記事「隙を見せずに議論する」の掲載直後のタイミングで驚いている。

「大学入試英語改革についての意見が聞きたい。」

いろいろ話を聞いていると、どうやらこの改革運動に反対らしい。そういえば、数日前に職員室内で英語民間試験の導入に反対する署名が回ってきた。その署名の趣旨は、ずさんな制度設計、稚拙な計画の弊害が受験生の不利益をもたらすため、2021年度の民間試験導入の導入を中止することと、新制度のあり方の見直することを請願事項にあげていた。

 一方、日本英語検定協会は、5月14日にプレスリリースとして、各試験の試験概要の情報提供がなされれていないことに対するお詫び文を掲載した。この時期になっても2021年度の全体像が見えないことは、生徒や保護者、そして現場の教職員等の不安や疑念などを招いている。理論や理念ばかりが膨らみ、現場レベルでの公平性・妥当性が確保できていないは認めざるを得ない状況ではある。

 さて先ほどの電話であるが、現在の入試制度の継続を目指しているのか、それとも現実的な制度設計・計画等が提示されるまでの延期を求めているのかまでは私には判断が出来なかった。ただ、試験運営上の欠陥や妥当性を指摘されてしまうと反論が難しいところがある。ちなみに、私の回答はあくまで個人(教職員)レベルでのものであって、英語科および学校としての見解ではない。

 ニュースでも取り上げれれているとのことなのでさっそく検索してみると、すぐに名前を思い出せた。京都工芸繊維大学・羽藤由美教授だ。署名運動の発起人らしい。せっかくなら今後の展望をお聞きすれば良かった。とにかく私が危惧しているのは、4技能の育成に向けた改革が頓挫することだ。「理論と実践の融合が机上の空論になることがないように、そして、安易に論破されてはいけないに論破されてはいけない」のだ。

※参考文献

Yahoo! ニュース、(2019年6月8日)、「大学入学共通テストにおける英語民間試験の利用中止を求める国会請願署名」

日本英語検定協会、(2019年5月14日)、「2020年度 英検新方式 実施会場における決定事項のお知らせ ~全国に「テストセンター」設置、~常時実施を目指す~」

Tom、(2019年6月18日)、「隙を見せずに議論する


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