top of page
  • Tom

『頑張っている人は格好良い!』 ②


 それは高校1年生の冬だった。付き合っていた彼女に突然振られた。勉強は赤点ぎりぎりの教科もあったし、部活動でも目立った活躍をしていなかった。だから、このままじゃ終われない。でも、どうする?

そんな「栗原君」ではあったが、英語の辞書を引くと教科書のストーリーが何となく分かった気がした。するとその続きが読みたくなる。英語を使いこなす先生にも憧れてこう思ったのだ。「英語出来たら、格好良いじゃん!」

だから、とにかく最初は英語「だけ」を頑張った。すると徐々に英語「だけ」は成績が伸びてきた。三年生の一学期の模擬試験で学校一番になって、英語に関する職業に就こうと決めた。将来を決めるにあたっては遅すぎましたが、動機として十分だった。

そんな私が教壇で心掛けていることが3つある。1つは、実用的な英語を身に着けて欲しいということだ。英語はコミュニケーションのツール。だから私は、間違えることに抵抗を感じない。時々、通じなくて格好悪くても気にしないようにしています。まずは通じれば良いのだから。二つめに、英語を通して様々な文化や考え方、社会を見つめて欲しい。授業で扱う教材を通じて世界が広がれば良いなと思います。最後に、英語の学習を通じて、自分の哲学を見つけて欲しい。越えられない壁をどう乗り越えるか。計画の立て方や方法をどのように工夫していくか。さらに言えば、なぜ勉強する必要があるのか。

…と「格好良い」ことを述べてしまったけれど、実は高校生の話には続きがあって、受けた大学はすべて落ちてしまった。理由は単純で、なぜ国語や数学などを勉強するのか分からなかったから。勉強していないからそれが理解できなかったのだ。様々な教科や分野などを通じて、訓練をし、経験を積んで成長するべきだった。そんなことを知ったのは、「教える」ことの難しさを知ってからかもしれない。そういった意味では、今でも毎日生徒と一緒に勉強しているのだと思っている。だから毎日、「格好悪い」のが現実だ。いつ「格好良い」に到達できるか分からない。ただ、これだけは言えかもしれない。努力をしている人は「格好良い!」


8 views

Recent Posts

See All

第9回夏の教育セミナー(日本教育新聞・株式会社ナガセ主催)が今年もオンラインで行われた。例年以上に講座が豊富で、収穫が多く勉強になった。今年の目玉は、高等学校の新学習指導要領の施行に伴い、令和7年度の共通テストの内容とそれを考慮した授業改善だろう。特に、指導と評価の一体化の理論と実践には多くに関心が集まっていたようだ。また、カリキュラム・マネジメントや指導方法の改善による学校改革まで盛り込まれてい

高校卒業後の進路選択の1つに専門学校がある。その大まかな定義であるが、職業に直結した専門的知識、技能・習得のための授業が中心とする学校のことである。①工業、②農業、③医療、④衛生、⑤教育・福祉、⑥商業実務、⑦服飾・家政、⑧文化・教養の8分野に分かれている。また、専門学校には認可校と無認可校があり、前者は学割がある、公的な奨学金や教育ローンが活用できる、学位が専門士となる、といった違いがあるので、そ

Featured Posts

Categories

Archives
bottom of page