『スーパーレベルライティング』 〜英検1級ライティングの辞書的役割 〜英検1級2次試験ならこの参考書〜
英検1級の英作文は、制限時間が短いアカデミックライティングである。そこで、説得力ある英文を持たせるためには、事前に自分のロジックを組んでおき、そこに自分の意見を埋めていくようにすると良い。その際のロジックを準備するのに本書は非常に便利である。
特効薬という意味で、第7章「英文ライティングの構成力を表現力UPトレーニング」を活用したい。「イントロの作り方楽勝パターン」、「強調の表現の使い方」から、「論理明快な英文を書くためのその他の表現」の要約の表現や例証する場合の表現まで様々な実践的な表現と例文が掲載されている。
ただし、「スーパーレベル」と謳っているだけあって、本書を完全にマスターするのは至難の技である。実は私自身がマスターしきれていない。高度な類語の使い分けやニュアンス、より完成度の高いライティングの発想や英文引き締め方法など
が掲載されている。
そうしたプラスアルファの部分も含めて、本書は生徒への指導にあたって指導書的な役割も果たす。「達人」への道は険しいが、常に手元において参考にしていきたい一冊である。
※参考文献
植田一三(2005 1 25)、『英語で意見を論理的に述べる技術とトレーニング』ベレ出版
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See All令和5年度の共通テストのリーディング及びリスニングの講評をする。本年度の平均点は、リーディングが53.8点で昨年度より7.9点低く、リスニングは62.3点で2.9点高かった。 リーディングもリスニングも共通テスト独特の傾向があり、トリッキーな問題も複数含まれている。例年通り「入試英語」という範疇の中でも癖のある問題だ。私立大を第一志望としている受験生は、共通テストは受験の最初の関門であって、あえて
2020年度からセンター試験が廃止され、新しく共通テストとして生まれ変わった。そして、試行問題を含めた数回の問題分析の結果、かなり癖のあることが明らかになってきた。本稿では今後の対策や予想を含めて講評していく。 センター試験では前半に発音・アクセント問題から文法・構文問題等の知識を問う問題が出題されたが、共通テストではすべて長文問題となった。設問を解くために知識を問うことはあるが配点は僅かである。
長文読解問題を解く際には、漫然と読んで解答したのでは効率が悪いことがある。戦略的に読むということを丁寧に解説しているのが「魔法の長文解法」である。初版が1991年で、当時から安河内哲也は「基礎から偏差値アップ総合英語」や「有名大突破 戦略英語解法」といった人気講座を開いているが、長文読解解法のエッセンスが凝縮されている良書である。 近年は4技能の向上に焦点を置いているもの、それでも英文解釈や効率的