英語民間試験の延期の衝撃と危惧

November 6, 2019

「もしかしたら精度が変更されるかもしない」と生徒には言っていた。心のどこかにはこの時期になって変更はしないだろうと思っていた。それが、まさかの事態でる。英語の民間試験導入の延期だ。受験者は、受験のために共通IDを取得する必要があり、その発効日が11月1日であった。にもかかわらず、同日の午前中の閣議終了後に文科省の萩生田文部科学大臣から英語民間試験の導入の延期が発表され、共通テストは予定通り行い、民間試験は24年度実施予定となった。文科省は、遠隔地の受験者の公平性が担保されず、多くの点において制度設計に不備があることが原因としている。

 止むを得ない状況ではある。教育現場で英語を指導しているものでさえ試験の概要が掴めない。受験生は尚更である。例えば、英検のホームペーのプレス発表を見ていても混乱しているのが見て取れる。これでは、民間試験(正確には4技能試験の実施)に賛成の立場であっても擁護しきれない。

 英語の民間試験導入には期待している部分があった。英語はコミュニケーションのツールであるという大原則を見つめ、まずは生徒の外発的動機から整えていく契機になるはずだ。従って、今回はあくまで「延期」であり、あらゆる事柄を考慮に入れて、今後の改善に期待したい。とにかく萩生田氏の「身の丈にあった勝負をして欲しい」という失言は残念であるし、「文科相として自信を持って受験生におすすめできるシステムになっていない」のであれば十分に検討すべきだ。

 繰り返しになるが、「民間任せにせず、国が責任をもって、遠隔地でも実施できる公平な仕組みを作ってほしい。」(Tom「Tom、(2019)、「朝日新聞の記事(朝刊紙面・デジタル)に載りました ~記事の裏側~」)具体的に言うと、インプット型の現行のセンター試験は継続し、2次試験ではライティングとスピーキングは各大学や短大等に委ねれば良い。また、調査書では民間試験のグレードや得点は加算等をすれば良い。また、実際の試験、特にライティングとスピーキングは加点方式に変更し、文法や語彙といった表現上のミスを減点する方式ではなく、その内容に重点を置く、言い換えれば、””How(どのように)”から”What(何を)”の加点式の移行すべきである。これを実現するためにも、限られた時間で信頼性の高い制度設計や評価方法等を模索して欲しい。さらに、そのことによって、教育現場の指導方法に改善や工夫がなされるようにしたい。今こそより建設的な視野と議論が求められているのである。もうこれ以上の後戻りは許されないのだから。

 

 

※参考文献

Tom、(2019)、「朝日新聞の記事(朝刊紙面・デジタル)に載りました ~記事の裏側~」

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