• Tom

英語民間試験の延期の衝撃と危惧


「もしかしたら精度が変更されるかもしない」と生徒には言っていた。心のどこかにはこの時期になって変更はしないだろうと思っていた。それが、まさかの事態でる。英語の民間試験導入の延期だ。受験者は、受験のために共通IDを取得する必要があり、その発効日が11月1日であった。にもかかわらず、同日の午前中の閣議終了後に文科省の萩生田文部科学大臣から英語民間試験の導入の延期が発表され、共通テストは予定通り行い、民間試験は24年度実施予定となった。文科省は、遠隔地の受験者の公平性が担保されず、多くの点において制度設計に不備があることが原因としている。

 止むを得ない状況ではある。教育現場で英語を指導しているものでさえ試験の概要が掴めない。受験生は尚更である。例えば、英検のホームペーのプレス発表を見ていても混乱しているのが見て取れる。これでは、民間試験(正確には4技能試験の実施)に賛成の立場であっても擁護しきれない。

 英語の民間試験導入には期待している部分があった。英語はコミュニケーションのツールであるという大原則を見つめ、まずは生徒の外発的動機から整えていく契機になるはずだ。従って、今回はあくまで「延期」であり、あらゆる事柄を考慮に入れて、今後の改善に期待したい。とにかく萩生田氏の「身の丈にあった勝負をして欲しい」という失言は残念であるし、「文科相として自信を持って受験生におすすめできるシステムになっていない」のであれば十分に検討すべきだ。

 繰り返しになるが、「民間任せにせず、国が責任をもって、遠隔地でも実施できる公平な仕組みを作ってほしい。」(Tom「Tom、(2019)、「朝日新聞の記事(朝刊紙面・デジタル)に載りました ~記事の裏側~」)具体的に言うと、インプット型の現行のセンター試験は継続し、2次試験ではライティングとスピーキングは各大学や短大等に委ねれば良い。また、調査書では民間試験のグレードや得点は加算等をすれば良い。また、実際の試験、特にライティングとスピーキングは加点方式に変更し、文法や語彙といった表現上のミスを減点する方式ではなく、その内容に重点を置く、言い換えれば、””How(どのように)”から”What(何を)”の加点式の移行すべきである。これを実現するためにも、限られた時間で信頼性の高い制度設計や評価方法等を模索して欲しい。さらに、そのことによって、教育現場の指導方法に改善や工夫がなされるようにしたい。今こそより建設的な視野と議論が求められているのである。もうこれ以上の後戻りは許されないのだから。

※参考文献

Tom、(2019)、「朝日新聞の記事(朝刊紙面・デジタル)に載りました ~記事の裏側~」


13 views

Recent Posts

See All

東京都4級職(主幹)試験面接対策 「4級職(主幹教諭)として抱負」

東京都の4級職、主に主幹教諭(A選考)の志望理由署の例を以下に載せてみた。『最新 教育キーワード(13版)』などを参考にしながら、4級職の位置付け、つまり管理職と主任教諭及び教諭との中間で何ができるかといった視点が求められる。面接試験では志望理由にある内容に関連したより広くかつ具体的な内容を問われるだろう。自分の中に大きな核のようなものを持っていたい。以下は例文として参考にしてほしい。 *****

衝撃!英検が採点にAI導入を発表(後編)

AIの飛躍的な発展によって、私たちの生活が大きく変わろうとしている。現在の技術革新と社会動向をみれば、日本英語検定協会が採点にAIを併用導入することは必然的だった。はたしてこの精度が飛躍的に伸びたら、人間の採点、例えば面接委員は不要になってしまうのだろうか。その場合、私たちに求められている英語の4技能はAIに補完されうるのか。ここに英語(他言語も含む)の学習(指導)意義はあるのあろうか? 上記の問

夏の教育セミナー 2020 〜L・Rは日々の積み重ね〜

今年の夏の教育セミナーは、新型コロナウイルス感染防止の観点からオンラインで視聴するという形になった。実施会場まで足を運ばなくて済んだももの、多忙からすべての内容を視聴することが難しかった。ただ、言うまでもなく例外なのは受験生や保護者、そして指導する教職員、教育関係者も同様である。個人的には、大学入学共通テストを始め、2学期の戦略を立てる上で重要な視点を再認識できたとように思う。安河内哲也氏の動画は

Featured Posts

Categories

Archives