大学入学共通テストの記述式問題は廃止せよ

December 15, 2019

 大学入学式共通テストで、英語の民間試験導入延期に伴い、国語・数学の記述式問題の延期または中止が検討されている。思考力等の評価を目的としているのだが、およそ50万人受験する試験としては致命的な欠陥を抱えている。

 第一に、公平性に大きな問題を抱えている。およそ50万の生徒の記述式答案を公平に採点するのはほぼ不可能だ。採点の基準が明確であれば差異がないように感じるかもしれないが、生徒の解答は想定されないものばかりだ。実際、高校入や資格試験等の採点の現場では、想定外の解答をどの基準に落とし込み、すべてにおいて公平になるかを考えなければならない。悪いことに、採点者にはアルバイトを含むようで、専門的知識のなければ公正かつ適正に採点できないことは容易に想像がつく。受験生の人生を賭けた答案を採点者側が真摯に受けて止める仕組みになっていない。

 第二に、上記の理由で生徒が自己採点をすることが出来ないために、その後の出願に大きな影響を及ぼすからだ。つまり、生徒が自分の解答を再現することだけではなく、実際の採点と自己採点に乖離が起こる。すると数点違いで何千人、分布によっては何万人と順位が変わってしまうために、正しい進路選択が困難になる。マークシートでさえも自己採点が完全に一致するとは限らない。高校生は普段のマーク式問題でさえ相当の誤差が生じているのが現状だ。それが記述式となれば正しく自己採点することは相当厳しい。受験生の心理がどのように出願に影響されるかも不透明だ。

 共通試験の記述式問題の中止は妥当であるが、英語の民間試験導入と大学入試改革の2本柱を失い、当初の変革に黄色信号が灯った。もちろんマーク式が万能だとは思っていないし、何かを改革しようとするときにある程度の痛みを伴うのは仕方のないことだ。だからといって大学入試改革を頓挫させる必要もない。「延期」または「中止」になるのであれば、今後の見通しに十分な妥当性を持たせて欲しい。

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