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学びの見える化

 英語入試改革として、民間英語試験の導入と以降措置として大学入学共通テストが導入される。4技能に向けた大学入試や授業などの大きな改善や工夫が求められている。そこで、太田光晴時代が提示した元号ごとの比較を比較することで、これからの英語教育についての展望を描いてみたい。

  「昭和」~「いかに教えていくか」(=teaching)

  「平成」~「いかに学ばせるか」(=Learning&learning outcome)

  「令和」~「学びの成果の見える化」(=Making learning visible)

 「昭和」のまさに「受験英語」という言葉で代表されるように、大教室にあふれんばかりの受講生がいて、教師が持つ複雑で膨大な知識をいかに効率よく提示していくことかが重要だった。その指導方法は平成に入ってもそれほど変わらず、「チョーク&トーク」で受験生の知的好奇心を高めていた。そうした授業は、ビデオテープに録画して各校舎に配布されるなど、費用対効果を重視した知識重視のインプット型英語であった。一方、言語はコミュニケーションの道具であるという考え方が学習指導要領に反映され、実用的な運用を目指そうという力・判断力・表現力の育成のための言語活動の充実が叫ばれた。例えば、生徒主体となるAL[アクティブラーニング]が推奨された。

 そして「令和」である。指導と評価の一体化を目指し、学習態度・成果が見える化することが必要であるといっている。「主体的に学び(英語)に向かう態度をどのように養っていくか、ということ」と述べている。ただ、「結果だけではなく、その過程を含めてしっかり捉える絶対的な評価」が可能なのかというと難しいところである。生徒は大人が思う以上に現実的である。したがって、学ぶ姿勢といったメタ認知的側面を評価するよりも、まずは外的動機付け、つまり4技能を正確に評価する手法やシステムを構築するべきである。評価の項目の中に「態度」といった項目を加えれば良いのだ。令和最初の入試改革が今後の大きな試金石になるのである。

 令和はIT技術が発達し、AIの時代が到来する。太田は「AIがどんなに発達しようとも、(中略)感情を理解して処理することは出来ないと思います。また、できてはいけません。それは人類にとって重大な危機を意味する」と言っている。また、「その技術が進めば進むほど、人と人とのコミュニケーションがより大切になるでしょう」と述べている。コミュニケーションをしている相手が翻訳機を常に使用しているのはなんだか寂しい。企業としても翻訳機がなくとも相手の気持ちを汲んだ「コミュニケーション能力」のある人材を求めるようになるだろう。計算機を常に持ち歩かないと仕事をできないのは困る。車がどれだけ快適になっても自分の足で歩く楽しみもあるだろう。そうなると、コミュニケーションの基本は自他尊重であり、そこに「異文化理解」といった態度や姿勢が求められてくるのである。

 「令和」の最初の課題は、妥当な4技能試験の評価方法、言い換えれば、大学入試や資格試験の在り方を模索する時代である。そういった意味で、私は、「令和」は「学びの成果の見える化」の時代であると考える。

※参考文献

日本英語検定協会、(2019 7)、『英語情報 2019年 創刊準備号』

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