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『小論文これだけ!』 〜小論文対策の「古典」〜

 小論文対策と言っても、慣れていなければどうやって対策を立てていけば良いのかピンとこないであろう。教員としては、「作文」と「小論文」の違いから入っていくのが基本である。本書は、その原則通りに「小論文」の定義を明確にしてから、書き方のパターンを提示している。初心者にもしっかりと入口を提示くれている。

 また、英語のアカデミック・ライティングと同様に、「型」を明示してくれている。結局、英語には英語のロジックがあるように、日本語にはその言語(または文化)に合致する構成がある。それさえ分かってしまえば、あとはその「型」に自分の意見を当てはめれば良いだけである。

 そこで、問題が一つ浮かびあがある。肝心な自分の意見が作れないのである。まず、そもそもその分野に関しての知識・経験等が不足しているのだ。自分の論を主張するに妥当な文献、データ、体験が乏しいのである。自分の意見を表明するにはその課題や分野に関する探求が必要である。

 そのために、どの分野でははどれが「必読書」なのかを提示していくれている。その部分に大半のページを費やしているのはそのためだ。だから、推薦図書に関してのエッセンス、さらには具体的に内容解説・使えるフレーズまで提示してくれているのだから、これほど便利な参考書はないかもしれない。このシリーズの本が人気を博していて、ロングセラーになっているのは納得である。

 ただし、本書はロングセラーだけに、「必読書」がやや古いものが多い。2004年に出版されているからだ。しかし、例えば、その分野に進むには絶対に読んでおいた方が良いものばかりなのか間違いない。言い換えれば、必須の「古典」を知ることができるだろう。したがって、小論文の定義、書き方から「必読書」までを含んだ「諸論文対策の古典」だと私は思っている。本書の内容を理解した上で、最新の新書等へと学習を進めていけば、いきいきとした説得力のある小論文を書くけるだろう。

※参考文献

樋口裕一(2004 10 6)、『小論文これだけ!』東洋経済新報社

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