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夏の教育セミナー 2020 〜L・Rは日々の積み重ね〜

 今年の夏の教育セミナーは、新型コロナウイルス感染防止の観点からオンラインで視聴するという形になった。実施会場まで足を運ばなくて済んだももの、多忙からすべての内容を視聴することが難しかった。ただ、言うまでもなく例外なのは受験生や保護者、そして指導する教職員、教育関係者も同様である。個人的には、大学入学共通テストを始め、2学期の戦略を立てる上で重要な視点を再認識できたとように思う。安河内哲也氏の動画は今回も大きな支えになった。

 今までのリーディング、リスニング指導は間違っていなかったと胸を張りたい。私の授業は、教科書等を素材にして「音読」と「タスク活動」(ディクテーションやディクタコンプなど)の2輪である。特に、学年が上がるほど模擬試験や入試問題分析といったことに気を取られ、本来の英語の学習目的である「左から右、上から下」へと英語の語順通りに処理をする「訓練」を軽視してしまいそうになる。もちろん傾向や対策は必要であるが、その基礎体力なしには何も出来ないと言うことだ。英語の教員の最大の使命は、この「訓練」と「戦略」のバランス、つまり教科書をフルに使える指導方法を模索することだろう。

 リスニング学習方法では、私の学習方法が正しいことが証明されたようで嬉しかった。「DOLS」勉強法である。ただ今回勉強になったのは、生徒への意識づけを強化することだ。例えば、リピーティングだ。教室では一斉授業になるため、同期型授業(録画型の非同期型ではない授業)では、リピーティングを入れて正しい音声で音読させたい。また、音読活動やタスク活動では音声とともに、意味を理解するように学習の目的をより明確にする必要がある。

 教室で教科書を使用した日々の積み重ねが演習や実践演習の基礎・基本となる。昨今の英語入試改革を山本崇雄は「知識偏重入試から情報検索型入試」とまとめているが、「どんな自分になりたいのかを問いかける」ことで目標に向けた動機付けの継続が大切だ。だからこそ、安河内哲也もゴッホの言葉で締め括ったのだろう。

“Great things are done by a series of small things brought together.”

(偉大物事というものは、一連のまとまった日々の小さな力の積み重ねだ)

※訳=Tom

※参考文献

安河内哲也、(2020.8) 第7回夏の教育セミナー資料「夏期セミナー共通テスト part1」

安河内哲也、(2020.8) 第7回夏の教育セミナー資料「夏期セミナー共通テスト part2」

山本崇雄、第7回夏の教育セミナー資料「夏期セミナー共通テスト 授業実践例 英語」

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