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Mar 25, 2026 ∙ 2 min
『うつ病九段 ー プロ棋士が将棋を失くした一年間 ー』〜うつ病の偏見とも戦う〜
将棋の世界では、年間で4人しか棋士が誕生しない。そして、A級からC級(厳密にはC2組)までランク順に分かれていて、A級に在籍するのはトップ棋士の証である。そして、棋界でA級に辿り着くのは天才の中の天才だけだ。そんなA級に在籍した経験のある棋士、先崎学九段が本書の著者である。ちなみに九段も将棋界の最高段位であり、これもまた選ばれし者の偉業である。 『うつ病九段』はそんな棋士が患ったうつ病の闘病手記である。体調に異変を感じた初期の症状から、生々しい入院生活の様子、さらには体調が不安定な回復期から現役復帰直前までの様子が細かく綴られている。どこの部分を切り取ってもその辛い様子が伝わってくるが、本人が苦しむ程度は想像を絶するところがあるだろう。実際、文面通りの症状が自分の身に起こればまさに生きた心地がしないだろうことは容易に想像がつく内容だ。ただ、これは筆者の文才によるものだと思うが、どことなくすらすらと読めてしまう文体になっている。これはじめじめした恨みつらみの吐き出しではなく、うつ病に対する強い闘争心からくるものだろう。多くの人に読まれている理由はここにもありそうである。...
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Mar 20, 2026 ∙ 2 min
『国際共通語としての英語』〜現代の「英語」学習とは〜
「英語が流暢だ」といった場合の「英語」に関して、それが現代社会でどんなものかと尋ねても愚問であるように見える。しかし、その「英語」はグローバル社会で大きな質的変容がある。そして、それに伴う学習者及び指導者等が知っておくべき新しい知見もあるのだ。これを提示してくれるのが本書の鳥飼玖美子氏である。 本書の提言は非常に明確で、一つは「使える英語」・「使えない英語」といった英語学習において顕著になりやすい対立概念を捨て相対的に英語を学ぶべきであるということである。もう一つは、国際共通語となった英語を学ぶ、教えることの意味をしっかり吟味し、教育に生かすべきだということだ。英語を単なる4技能のスキルがどれだけネイティブに近いかといったことではなく、言語相対主義論をベースにしながらどんな人々ともコミュニケーションを取るための教育内容の精選を図るべきという主張である。 これが執筆されたのはまだCFERが制定されて間もない頃であるが、その後のセンター試験が共通テストに改変された際に、英語の試験が実用英語に大きく重心をずらしたことを考えると、この先駆的かつ現在進行形の議論であることが分かるだろう...
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Mar 2, 2026 ∙ 2 min
『AIの衝撃 ー人工知能は人類の敵かー』〜熾烈なAI研究の先にあるもの〜
第三次AIブームの中でChatGTPが登場し、レストランで配給ロボットが運用されている様子をみるとAIとの共存の在り方はますます身近な問題に感じてくる。もともとAIに対するネガティブな見方として、人間はAIに雇用を奪われるのではないかという不安感、またはSFのように人類が滅亡の危機に晒されるのではないかという危機感がAI論のスタートである。そういう意味で本書のサブタイトルは刺激的であった。 著者の小林雅一氏は東京大学大学院理学研究科を経て、ボストン大学にてマスコミ論を専攻し、情報大学セキュリティ大学院大学准教授及びKDDI総研リサーチフェロー(刊行当時)である。『グローバル・メディア産業の未来図』等著書多数である。 前半は、刊行当時に話題となっていた将棋の電脳戦を皮切りに、機械学習から最新のニューラルネットに関しての概要とその仕組みと発展の歴史が説明されている。後半は、Googleの動きを中心に各国がしのぎを削っている様子が詳細に語られている。特に日本はものづくり大国として世界を牽引してきたが、そのためにAIの研究で先進国に後れを取ってしまう可能性を危惧している。また、今後A...
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