『AIの衝撃 ー人工知能は人類の敵かー』〜熾烈なAI研究の先にあるもの〜
- Tom
- 3 days ago
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第三次AIブームの中でChatGTPが登場し、レストランで配給ロボットが運用されている様子をみるとAIとの共存の在り方はますます身近な問題に感じてくる。もともとAIに対するネガティブな見方として、人間はAIに雇用を奪われるのではないかという不安感、またはSFのように人類が滅亡の危機に晒されるのではないかという危機感がAI論のスタートである。そういう意味で本書のサブタイトルは刺激的であった。
著者の小林雅一氏は東京大学大学院理学研究科を経て、ボストン大学にてマスコミ論を専攻し、情報大学セキュリティ大学院大学准教授及びKDDI総研リサーチフェロー(刊行当時)である。『グローバル・メディア産業の未来図』等著書多数である。
前半は、刊行当時に話題となっていた将棋の電脳戦を皮切りに、機械学習から最新のニューラルネットに関しての概要とその仕組みと発展の歴史が説明されている。後半は、Googleの動きを中心に各国がしのぎを削っている様子が詳細に語られている。特に日本はものづくり大国として世界を牽引してきたが、そのためにAIの研究で先進国に後れを取ってしまう可能性を危惧している。また、今後AIの進化が進み、シンギュラリティに近づいたときの人間の存在価値にまで触れている。
刊行当時だけではなく、この瞬間にもAIのブレイクスルーを狙い、その後の覇権争いが起こっているのだろうと考えると国策としての喫緊の課題であることが十分に認識できる。同時に、それに関する倫理観や法整備などが急がれているが、その危機感も強く感じていた。発行は平成ではあるが、私たち人間はAIに対してどう向き合い、存在意味を見出していくか。まさにこの瞬間に通じる先見の明がある良書だと考える。
※参考文献
小林雅一(2015・3・20)、『AIの衝撃 ー人工知能は人類の敵か』講談社現代新書








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