Tom
- Jan 11, 2021
『あの花の名前を僕達はまだ知らない』〜郷愁の中に咲く「あの花」〜
子どもの頃は抱いていた、でも成長するにつれて忘れてしまった大切なもの。それは、あの頃あの場所に咲いていた「あの花」。仲良し6人組は、メンバーの1人の不慮の事故死をきっかけに離れ離れになってしまった。その5年後、亡くなったヒロインは昔の願いを叶えて欲しいと再び主人公の前に現れる。メンバーの様々な気持ちが交錯するなかで、それでも願いの答え、そしてその先にある本当に大切なものを見つけようとする。ファンタジーアニメであるが、大人に向けのノスタルジックストーリーである。 ストーリーにはいくつもの伏線が張られていて、クライマックスに向けて徐々に、そして最後は一気に回収されていく。相互作用する感情の動きが深くて複雑なため、終盤に進むにつれて涙の重みを受け止めるのが難しいところも多いだろう。それでも、個々が自分に向かっていたベクトルを告白するシーンは圧巻である。また、クライマックスでテーマ曲が流れ、最後のエピローグからタイトルを想起させる一連の流れは哲学的で奥深い。世代を超えて人気があるのは、そうした涙腺を誘うストーリーと並行して郷愁的想いや様々な愛の形などを再
Tom
- Jan 3, 2021
箱根駅伝と新型コロナウイルス
新春の2日・3日は東京箱根駅伝だ。母校を応援しようと朝早く起きれば、規則正しい生活を送れるもんだ。大学は青春の1ページであるし、卒業後の母校活躍は一種の自尊心でもあるし、箱根駅伝の強豪校を応援できるのはあの頃必死に頑張った人生のご褒美だ。 ご存知の通り、箱根駅伝はリレー形式になっている。個人の力だけではなく普段のチーム力も試される。また、シード権争って10位を死守する戦いや各中継所によ設定された通過タイム以内でタスキをつなぐことは数多くのドラマや涙を生みだしている。最近では、日テレのホームページからは地図上に各大学の位置が示されるのも面白い。出掛け先で速報順位を確認できる。 そんな思い入れのある箱根駅伝だが、今年は新型コロナウイルスのために雰囲気が大きく変わった。と、書くつもりだったが、「少し」変わったと書かなければならない。沿道での声援を控えるように公式なアナウンスがあるにもかかわらず、相当数の人が見ているのだ。もちろん中には家の目の前で見ている人もいるだろう。しかし、それを差し引いてもこの状況では、「応援したいから応援しない」というキャッチフ

Tom
- Jan 1, 2021
謹賀新年2021
あけましておめでとうございます。本年もよろしくお願い申し上げます。 参政権は、それを得るために多くの血を流し、時間を費やして手に入れた近代の産物である。今でこそ誰もが政治に参加することが当たり前のことになっているが、一票を投じることの重さを私たちは忘れてはいけない。投票権利の放棄は先代への尊敬の念を欠くことも意味する。 確かに、国会議員が記者会見や国会答弁等で非常に冗長で曖昧な表現をすることが多く、政治に対する不信感は募るばかりだ。責任ある立場の公式発言であるから慎重になるのだろう。しかし、国会がでの限れらた時間で論点をずらすことや抽象論で内容のない会見は、まるで牛タン戦術の延長のように感じる。さらに、国会内でも牛歩戦術を用いることは参政権の観点から見ても過去への侮辱に繋がることも意味する。 牛には胃袋が4つあり、いったん第一胃袋に入ったものを口で噛み直すことを「咀嚼」という。そこから物事を文章を十分に吟味することの意に転じたのだろう。新型コロナウイルスという世界に激震を与えている今だからこそ、十分に議論し、意味ある行政経営を期待したい。思慮深く