Tom
- Feb 18
『「うつわ」的利他』ーケアの現場からー〜コロナ禍から学ぶ「利他」〜
2021年度の大学入試の小論文で最も出題の多かった著者が伊藤亜紗である。その中で最も引用されることが多いのは『「うつわ」的利他』である。そこで、再頻出の問題の全文を目に通したいと思い本書を手に取った。 著者は東京工芸大学リベラルアーツ研究教育院教授で、専門は美学、現代アート...
Tom
- Dec 7, 2022
『18歳からの格差論』〜すべての人に同じ土俵の提供を〜
日本の社会問題の根本にあるものは「格差社会」だろう。昭和の層中流階級社会はバブル崩壊を機に長い不景気に入った。成果・能力主義や人件費の削減にによる非正規雇用が広がった。その流れの中で、AI問題(AIと人間が共存の模索)や民主主義の問題(熟議によるプロセスを重視した民主主義の...
Tom
- Nov 1, 2022
『自分ごとの政治学』〜日常と死者を背負う政治行動を〜
選挙権の獲得の歴史を考えると、人類はこれまでの参政権を得るために多くの血流と失われた尊い命を失った。したがって、投票日に選挙会場に行かないことは歴史軽視でもあり、行使しなければいけない大事な権利なのである。そして、そのより根源的な政治の仕組みや、概念、哲学、日常との関わりを...


Tom
- Sep 24, 2022
本気でやろう、SDGs
SDGsというキーワードが流行している。2015年の国連サミットで採択された17の目標で、Sustainable Development Goals(持続可能な開発目標)の頭文字を取ってSDGsと呼ばれている。SDGsジャパン理事の長島美紀氏は、『早稲田学報』の中で、それら...


Tom
- Sep 24, 2022
新型コロナウイルスの論点整理 2022
今、主な世界で議論されている問題と国内の喫緊の社会問題は、新型コロナウイルス感染拡大、AIと人類の共存、そして民主主義の在り方だ。それは個々が独立して存在しているのではなく、むしろ互いに共鳴しているようにみえる。新型コロナウイルス感染拡大は非接触型生活環境の整備、すなわちI...
Tom
- Mar 10, 2022
戦争反対(ロシアのウクライナ侵攻)
ロシアのウクライナ侵攻は絶対に許されない蛮行だ。もちろん私たちは新米欧諸国の枠組みの中でメディアコントロールされているので、他方にも主張があるかもしれない。しかし、戦争という暴挙が多くの命を奪い、幸せな日常が失われている事実は変わらない。特に、ロシアの戦術は非人道的で絶対に...
Tom
- Mar 6, 2022
「なんとかする」子どもの貧困〜できることを少しずつ〜
タイトルの「なんとかする」には、筆者の貧困問題に対して「1ミリでも進め」ようとする意気込みが込められている。貧困という実態を把握し、たとえある実践の行動が最適解ではなくてもその行動を尊敬しようとする姿勢がある。第一章で子どもの貧困問題の概論や理論面が説明され、それ以降は個人...
Tom
- Jan 10, 2022
『街場の平成論』〜私の平成論〜
自分が過ごした時代区分である「平成」というものがどのように理論的に総括できるのか。それが本書を手に取った理由である。内田樹編者にしたアンソロジーで、政治、文化、自然科学、宗教、哲学など広い分野で平成が論じられている。令和の時代を展望するにあたって、平成がその前後と何が異なる...


Tom
- Aug 1, 2021
新型コロナウイルスとAIの論点整理 2021
「WHOといった世界的機関から個人レベルまで問題意識の共有と、持続可能な施策と実行力が求められているのである。」(『新型コロナウイルスの理論整理 2020』)自分の文書を読み直して愕然としてしまった。結語の内容は、ほとんど解決されていないどころか、問題は一層深刻化しているか...