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アントレプレナーシップと教育

 加藤崇氏が立ち上げたベンチャー企業はヒト形ロボットに特化したものだった。彼はその会社の将来性を買われて、Googleによって最初に買取された日本人になった。その後の彼の活躍は、米国でAIによる水道管保守作業やインフラ保全促進で、ベンチャー企業のお手本のように感じる。天才的な起業家だ。

 安定志向の高い人には、リスクを恐れずに企業に挑戦する精神に驚くだろう。このアントレプレナーシップは、しかし、誰もが持っているべき姿勢なのかもしれない。自分の目標として、成長段階から計画的にPDCAを実践し、あわよくば創業10年以内に企業評価が10億ドルを超えるユニコーン企業になっている気概は悪くはない。

 ベンチャービジネスの成功には、ビジコン(=ビジネスコンテスト)等で資本をいかに獲得し、初期活動が基軸に乗せるかが肝になる。エンジェル投資家に出会えれば幸いだが、ベンチャーキャピタルや事業提携、銀行融資にたどり着く最大のポイントはアイディアを出すための「創造力」と「論理」ではないだろうか。AI時代にこそ社会のニーズを分析し、ビジネスの型を作る資質・能力等が求められる。それが新しい教育の目指す部分でもある。

 早稲田大学のビジネス・ファイナンス研究センターの所長も、「産学連携も進んでいるため、大学が持つ技術力の価値は高まっている」と述べている。高大接続を踏まえてもアントレプレナーシップを意識した中等教育後期の進路指導が重要になるだろう考えている。



※参考文献

早稲田大学校友会、(2023・8)『早稲田学報』

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