Tom
- Feb 23
『雲の向こう、約束の場所』~偉才の脚本:異空間の再会~
新海誠監督作品『天気の子』『君の名は』『ほしのこえ』を鑑賞してきた。今作の『雲の向こう、約束の場所』もまた新海ワールドが広がっている。彼の恋愛観や世界観、演出や構成などの中核となっている原点がここにある。なぜならこれが深海誠監督にとって初の長編アニメーションであったからだ。ただ、体調不良の中、ベッドで鑑賞したせいなのかもしれないと思った。映画終了後の心の第一声は「なんだかしんどい映画」だった。複雑な後味と多少の疲労感を残すのである。 ※以下、映画の本編のネタバレあり。 それは、監督の才気溢れる脚本に起因するものだろう。特に、独特の世界観と繊細に練り込まれた展開を追うだけで一苦労だ。「連合軍・ユニオン軍」「ウィルタ解放戦線」「ユニオンの塔」などの独自の用語を理解しつつ、行間を埋めるように伏線を回収しなければいけない。特に、「平行世界」に関しては、この世界の起こりうる出来事の可能性であり、予感や予期されるものと定義されているが、「蝦夷」の書き換えられた世界の詳細はない。おそらくすべてを詳細にしないいことで、作品のテーマを単純にするということなのだろう

Tom
- Feb 5
現地視察:最新の大学図書館
去年の春に早稲田大学の図書館がリニューアルされたと早稲田同窓生の雑誌でしった。その年の8月に訪問してみようと思ったが、都内の新型コロナ感染者数が8千人を超えたために断念した。逆に今回はスケジュール変更で東京の滞在期間が伸びたので、チャンスとばかりに行ってみた。 改修の中核になったのがLC(ラーニングコモンズ)だという。「自由に集まり意見を交わす現代的な学習を支援するための機能」で、無線LANや可動式の机や学習支援員の拡充等が代表的な特徴だ。 実際、目的別で4つのエリアに区分されている。図書館であるにも拘らず、会話が許可された閲覧や学習エリアなどの4つの目的別エリアがある。それに応じてどの程度まで音が出せる等の活動可能範囲が規定されている。一切の雑音が許されない空間「Super Silent Area」まであるが、全体的にアクティブな雰囲気があり、従来の図書館は静寂であるべきといった概念とは一線を画している。LA(ラーニングアシスタンス)が在中して資料検索等の指導をするなど、図書館事態が動的な性格を帯びてきている。 新しいコンセプトと最新の理論・研