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襷よ、繋がれ!

 大学の部活動となると、もはや高校とは別世界である。大学の名前を背負って戦うわけで負けることが許されない世界だ。箱根駅伝を走った渡辺康幸もあこがれの先輩と4人部屋で過ごし、時にはゴキブリが身体を這うこともあったという。それでも走るのが楽しくて仕方がなかったと早稲田学報で語っている。その功績は選手としても監督してはここに書き切れないほど輝かしものであるが、今年も早稲田だの選手はその教えを繋いだ選手が箱根路を走る。

 もちろん伝統校の中央大学、優勝候補の駒澤大学、強豪校青山大学なども同様だ。だからこそというべきだろうか。毎年熱いドラマが繰り広げられる。昨年の大逆転劇を覚えている人も多いだろう。1位の創価大学と2位の駒沢大学とのタイム差は2分14秒。素人でさえも逆転不可のはみ明白であった。誰もが創価大学のアンカーの失速を予期しなかったし、それを責める気にもなれないだろう。早稲田はさすが雑草魂というべきか、毎年どこからその力が出てくるのかと思うほどラストスパート力がある。あれだけの超距離を走って、数秒で順位の差が出る。最後まで目が離せない。

 今年はハイスピードなレース展開が予想されている。気温や風向きなどの気象条件で記録が大きく変わり、水面下では緻密な頭脳・心理戦が繰り広がられている。だから、今後の陸上界を担う新星が現れるかもしれない。過去の監督や先輩方から受け継いだ知識・技術・精神、そして伝統の襷を次の選手に繋いでいって欲しい。さらに勝負に関していうと、各大学には次の至上命題がある。それはシード権だ。10以内に入ればシード権が獲得でき、来年度は予選なしで箱根駅伝本選に出場できる。従って、10位前後のランナーの争いもまた(往路で10分後に繰り上げスタートになった場合も含めて)大勝負となっている。

 また、各中継所では戦闘のチームから一手の時間が経過すると繰り上げスタートととなり、この場合は失格なる。伝統の襷。「頼む!間に合ってくれ~!繋がってれ~!!」



※参考文献

早稲田大学校友会、(2020・6)『早稲田学報』


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