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『星を追う子ども』〜新海誠監督の野心的な試み〜

 新海誠監督の新作『ずずめの戸締り』を存分に楽しむために、それまでの作品を「予習」する人も多いだろう。私もその中の一人だ。新海誠監督は、『星の声』『君の名は』『天気の子』『秒速5センチメートル』などの名作で知られていて、宮崎駿に並ぶ有名な日本のアニメーション監督だ。

 あらすじの概要は、アスナがモリサキとともに死者を復活させるために地下世界のアガルタを探検するというものだ。ただ、冒険無駄に長く、非現実でグロテスクなシーンもあり、予想通り孤独と命を主題にした物語のせいもあって鑑賞後にすっきりした気分になれなかった。作品を一度ですべてを味わうのは無理だろう。新海誠作品には小説版やコミック版があり、メインストーリーを補完する役割を果たしている。関連映画も合わせれば細かい伏線、解釈の難しいシーンなどを深く考察する一助になるようだ。

 「ようだ」と表現したのは、新海誠監督がインタビューで以下のように述べているからだ。「ジブリ作品を連想させる部分が確かにあると思うのですが、それはある程度自覚的にやっている。」(「あにこれβ」)ジブリに詳しいと細かい伏線やテーマがより深く理解できるのだろう。登場するキャラクターに関して、「シュン=宮崎駿、シン=新海誠」という都市伝説は、その妥当性はともかく、指摘としてはユニークだ。

 美しい背景の前に展開される複雑なストーリーをどう読み解くか。世界を解釈し直すために巧妙で野心的な試みがこの映画の醍醐味なのだろう。



※参考文献

新海誠、(2011 5 12)『星を追う子ども』、コミックウェーブ

あにこれβ、「第1回インタビュー 新海誠が語る作品秘話」https://www.anikore.jp/features/shinkai_2_6/

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