ラーメン食べ歩き紀行 (19) 波浮 〜離島で背脂しょうゆラーメンの極み〜
伊豆諸島の一つである神津島。東京からおよそ180km南西にある人口1900人ちょっとの小さな島である。かつて神々が集まって水の分配を話し合ったとされる伝説の島だ。真っ白な浜辺が続く前浜海岸、海底まで透き通った赤崎遊歩道。スノーケリングやダイビングに最適なエメラルドグリーンの海である。そして島の中央には独特のフローラと伊豆諸島を眺められる天上山。さらに多幸湾やありま展望台など島中に絶景があり、イスズミ、カンパチやムロアジなど様々な大物を釣ることができる。
そんな雄大な自然を感じられる島であるため、ラーメン店は数軒で、「ラーメン」を屋号にしたものはない。その中でも「レストラン波浮」の背脂しょうゆラーメンは絶品である。昭和の雰囲気が充満する1階は、ラーメン屋というよりは、定食屋(居酒屋)で、2階にはカラオケルームがある。アルコールに混じったメニューから、まさかのうまいラーメンである。
ここの背脂しょうゆラーメンは、しょうゆのコクを十分に引き出していて、背脂のうまみとうまくマッチしている。特別に何かを主張しているわけではないのに、オーソドックスなまま味を極めているといった印象だ。他にも、背脂系のラーメン屋つけ麺も味わったが、背脂しょうゆが群を抜いている。
神津島に行くには調布飛行場から飛行機で40分、船(大型船)で約10時間、ジェットフォイル(JF)で約3時間45分だ。さらに細道の奥にあるお店は食べログには登録されてないため、島内のパンフレットなどで場所と開店時間を確認しなければならないだろう。島民でないとたどり着くのが難しいかもしれないが、それに見合ったラーメンが待ってるだろう。
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