大学院志望理由書と研究計画書

April 18, 2016

 大学院に入る際に提出した志望理由書及び研究計画書(一部削除)である。当時の私の教育への観点や考え方を思い起こさせるとともに、大学院への進学を希望する方には1つの例として参考になると思う。

 

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 近年、不登校生徒は、増加しており、私が、英語科教員として勤務した高等学校でも例外ではなかった。私が高校一年生を担任した際、私のクラスの生徒の一人が中学校時代に不登校であったという申し送りがあった。そこで、個別指導を行い、電子メールを介して支援と助言を与え、生徒の自己効力感を高めようと努めた。その結果、生徒は、登校することができ、一日も休むことなく進級した。この経験から、インターネットを媒介にしての学校カウンセリングの重要性と必要性を学んだ。その後、このような状況に対してさらに上手く対応していくことを目指してカウンセラーの資格を取得し、インターネット上で悩み相談のサイトを立ち上げ、現在、管理サポーターとして活動している。

 不登校生徒の大多数は、自己効力が低下しており、生徒の内面に寄り添うコミュニケーションが不可欠である。そのため、学校と不登校生徒を繋ぐ一手段として、メールやBBS、ビデオチャットなど、生徒の発達段階や現状に応じて支援を行い、自己効力感を高めることが効果的である。これは、近年のパソコンや携帯電話等のインターネットの普及を活用した効果的な教育的取り組みの一つであると考える。さらに、コミュニケーションと合わせて、将来的な社会的自立を目指したキャリア教育を行うことも必要である。このようなことから、中等教育での、「インターネットを用いた不登校生徒への学校カウンセリング」の理論習得と実践力向上に繋がるより良い方法を明らかにしたい。

 また、不登校生徒に関しては、加茂聡氏他、『発達障害と不登校の関連と支援に関する現状と展望』(2010)をはじめとする、幾つかの先行研究があり、これらを中心として、不登校と発達障害の関係について理解を深めている。そこで、通常学級における不登校の対応においても、発達障害を持つ生徒が叱責・いじめ等を受け、生来の障害とは別に心の問題を抱えるという二次障害の防止を念頭においた指導をしたい。

 以上のような目的を持って、不登校生徒の支援の強化を目指したい。特に、貴学教職研究科を志望したのは、第一に私の研究を行いたいテーマに関連した学校カウンセリングの理論と技術や、発達障害、キャリア教育の授業があること、第二に授業が多分野に渡って履修できることである。入学できれば、分野別選択科目では、B分野の生徒指導・学級経営の力量形成及びC分野の発達障害支援の力量形成と、自由選択科目の「個別カウンセリング理論と実践」を履修する計画である。そして、貴学のカリキュラムにおいて、学校カウンセリング・発達障害・キャリア教育を中心に総合的に専門性を高めたい。

 

 

主題

 不登校生徒への学校カウンセリングの在り方の検証

  ―インターネットのさらなる活用を用いて―

 

研究目的・方法

不登校生徒は、依然として高い水準にあり、それに対応した効果的な学校カウンセリングが求められ、不登校生徒の自己効力の低下や、それに伴って生じる肉体的・精神的苦痛などの心の問題という二次障害のための支援が必要とされている。このような状況に対して、自己効力を高め、支援できる方法を探りたい。

その方法の一つとして、インターネットを用いた学校カウンセリングをとりあげる。加藤らは、「電子メールカウンセリングを実施し、実施前と後で不登校状態を比較したところ、ほぼすべての児童生徒に改善が見られた」(2004)と述べ、その原因を分析し、電子メールの可能性を示唆した。そこで、中等教育で、教師が組織的に連携し、校内でBBSやビデオチャット等を用い、適時適切な指導・援助にあたることが可能であると思われる。また、スクーリングサポートネットワーク整備事業等の地域の教育力を活かすことで、不登校生徒への将来的な社会的自立と生徒の発達段階及び現状に応じた適切な支援が期待できる。

よって、不登校生徒への学校カウンセリングに関して、インターネットを用いた学校カウンセリングの理論の習得と実践力の向上の方法を明らかにすることを本研究の目的とする。

研究計画を以下のように進めていく。

1.理論の習得と体系化を目指す

インターネットを用いた学校カウンセリングの対象を、発達障害を持った生徒を含め、内容的には、キャリア教育という視点を含めながら研究を試みる。第一に、先行研究を通して、現状把握と理論習得を目指す。第二に、実際の学校現場でのインターネットを用いた実践例を収集し、そこでの課題を明らかにし、今後の指導について考察する。最終的に、様々な不登校生徒の自己効力を上げられるようなインターネットによる支援のための理論的体系をまとめる。

2.現場での資料収集とその吟味

 中等教育の現場で現状に即した学校カウンセリングの成果をみる。まず、実際の現場で、先生方が不登校生徒と接している様子を学ぶ。また、質問紙を用いて、電子メールやBBS、ビデオチャット等のインターネットを介した教育相談に関するデータを集める。そのうえで、有効な使用方法と効果的な組み合わせを見るために、分散分析を用いて検証する。最後に、スクールカウンセラー等の外部機関の学校関係者と接触を図り、求められる教師のインターネットを用いた学校カウンセリングの指導方法や連携の在り方を考察する。

 

 

参考文献

加茂聡他、(2010)『発達障害と不登校の関連と支援に関する現状と展望』茨城大学教育学部紀要(教育科学)59号、137-160

松田英子他、(2008)『教育相談におけるオンラインカウンセリングの利用可能性に関する展望』メディア教育研究第5巻第2号

加藤尚吾他、(2004)『電子メールカウンセリングによる不登校児童生徒の不登校状態の変容に関する分析』日本教育工学会論文誌 28(1), 1-14

裏C、(2010) GHF'03「誰かが一言」

 

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