top of page
  • Tom

No More "Karoshi"


 日本語がそのまま英語になっているものは少なくない。”sushi”(寿司)や”karate”(空手)のように日本文化を反映したものが多いが、中には無くなって欲しいものもある。”karoshi”(過労死)だ。電通の女性社員が自殺した事件は、月の残業時間が105時間を超えただけではなく、会社の残業風土や上司の暴言等を含め、過労死の現実を改めて浮き彫りにした。

 日本社会で求められる振る舞いは、欧米と異なって農耕を営んできた歴史から、個人ではなく集団での在り方に依るところが大きい。個人の持っている能力で動くよりも、その場の空気を読むことが求められる。例えば、上司が残業をすれば、部下は用もないのに会社に残らなければいけないような風土がある。長時間感残業することで会社に大きく貢献していると評価されることもある。

 上記は文化人類学的側面からの考察であるが、もちろん現実はより複雑だ。正規社員の比率低下の問題や、少子高齢化社会による人材活用方法、少子高齢化や社会保障やグローバル化など、様々な視点から総合的に方法論を見つけ出さなくてはならない。

 理想論や努力義務では、同じ轍を踏むだろう。政府や自治体が法的な整備をすることで強制力を持った社会変革が急務であると考える。何かを変えていくなら、現場から声を上げていくことも必要だろう。長時間労働を無くし、無用な自殺者を減らすよう社会全体で取り組んでいきたい。

※参考文献

長時間労働撲滅キャンペーン


21 views

Recent Posts

See All

布団で見るその夢の中で私はいつも高校生だった。大学受験を目指しているが、志望校は早稲田大学。順調に進んでいない国語や世界史の勉強をどう克服しようかで絶望しつつ、受験に奮闘していく物語だ。その「物語」は数年間、断続的に見ていた。そして、現実の世界で早稲田大に通い始めてからその夢は見なくなった。文字通り夢にまで見た早稲田大学での修学だった。 教授人は錚々たるメンバーで、周囲の学生の力も高く、勉強では大

作品時間が5分もないアニメーションは非常に美しく、しかしその理由を初見で明確に説明するのが難しかった。ただ、全体的な雰囲気が以降の作品の原点になっているのは良く分かった。センチメンタルな雰囲気は『秒速5センチメートル』に似ている。実写かと思うほどの背景画に対して、主人公は驚くほど雑だ。猫をナレーションにした視点は『だれかのまなざし』そのままで、最後の男女の掛け合いで終わるシーンは『ほしのこえ』であ

ストレスコーピングやメンタルヘルスの観点からすると「完璧」を求めることはしばしば自身の負担になることが多い。精神疾患を患ってしまう人はこの傾向が強く、また完璧を求めて自分を追い詰めてしまうこともある。ただ、その「完璧」を求めることが良い方向に進むこともあるらしい。 自転車競技の河野翔輝選手は、早稲田大学在学中にプロチームに所属し、全日本選手権トラックなど、複数のタイトルを獲得している。今後の目標は

Featured Posts

Categories

Archives
bottom of page