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人知を超えつつあるAI


 AIの進化が止まらない。世界で最も強いと言われる囲碁棋士を破った人工知能「アルファ碁」を上回るさらに強力な「アルファ碁ゼロ」が開発されたという。「アルファ碁」はプロ棋士の棋譜を深層学習で学んだが、「アルファ碁ゼロ」はプロ棋士のゼロは3日間の独自の学習システムで「アルファ碁」に100戦全勝したという。

 「アルファ碁ゼロ」は文字通り囲碁のルール以外はまったくゼロの状態から自己学習を始めたという。すなわち、プロ棋士の棋譜をもとに深層学習した「アルファ碁」とはまったく違う「何か」のプロセスやロジックを経たと推測されている。

 プロ棋士の大橋拓文六段は「人間の知恵が足を引っ張っている可能性があると考えられ、悲しさを覚える」と答えている。このまま進化が続けば人類はその叡智では届かない世界にたどり着く可能性がある。例えば医療技術の発展や宇宙の進化の解明など、人類に新しい希望を与えてくれるかもしれない。

 一方、人類が生み出した物のロジックが分からない世界に、人間がその存在意義と展望をいかに掲げられるのかは大きな命題になるだろう。機械との距離感をどうはかるか。率直いうと、私はシンギュラリティーを迎えた時代に多少の恐怖を覚えてしまうところがある。

※参考文献

読売新聞(夕刊)、2017 10 19、「アルファ碁に 100戦全勝…最強AI誕生 『独学3日』 創薬など応用期待」


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