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Nov 15, 2022
コンピューターリテラシーの本質と展望
独立研究科の森田真生はエッセー州の中で次のように述べている。「コンピューターはあまりにもユーザーに寄り添い過ぎてしまった。便利になることはありがたいが、結果として私たちは、生まれ変わろうとする主体的な意欲を失っているのではないか」(『数学の贈り物』)コンピューターリテラシー...
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Mar 27, 2022
『持続可能な医療』〜医療を俯瞰的に問い直す〜
体調を崩して病院へ行く。私はここでいつも何か苦虫を噛み潰す気持ちになってしまう。医療情報と金銭権力を持っている大病院、計算根拠が複雑な診療報酬点、二度手間感じる院外処方箋。これらは適正に処理・評価されていているのか。このまま家族や私の最期の日まで適切な医療恩恵を受けられるの...
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May 4, 2021
『生命と記憶のパラドクス』-福岡ハカセ、66の小さな発見-〜教養エッセイ集の見本〜
本書は66のエッセイ集から成り立っているが、理系分野の難解な用語はない。そもそもこれらは『文藝春秋』の連載記事を再編集したものだ。一般読者を想定して書かれているから、3ページ程度のエッセイはさらっと読める。 著者は福岡伸一氏で分子生物学者を専門としている青山学院大学教授だ。...
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Feb 7, 2019
ニッポンの健康 〜新しい医療概念の時代へ〜
厚生労働省は2016年の新規の癌患者は99万人を超えたという統計データを発表した。これは国立がん研究センターによると、すべての病院に報告を義務化したことによって初めて得られた集大成のデータだと言う。癌の治療法は年々向上しているが、それでも多くの人が深刻に捉える病気の1つであ...
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Jan 25, 2018
地球外生命体はいるか?
「宇宙人」の存在は昔からテレビ番組などで大いに騒がれてきた。SF映画でも、時には人類の新しい仲間として、時には人類を滅ぼす脅威として描かれてきた。いしかし、「地球外生命体」となれば話は別かもしれない。一定の条件が揃うと生命が誕生している可能性が高いからだ。しかもそれが太陽系...
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Jan 14, 2018
「目に見えない」恐怖
宛先不明の手紙があちこちの家に届く。開封すると中から出てきたのはドッグフードのようなもの。手紙を開けた人はその後すぐに体調がおかしくなる。高熱だからインフルエンザだろうか。しかし、数日後には息切れがし唇が青くなり、間も無く心臓が止まる。これはアメリカ炭疽菌事件から参考にした...
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Jan 6, 2018
マクロとミクロから宇宙を解明する
理論物理学の数式は素人には暗号にしか見えない。ただ、この世界を、次元・空間・重力や速度といった要素を加えながら数式で記述してしまうのだから驚きである。その中でもブラックホールとワームホールを「量子もつれ」からその本質を解き明かそうとする試みは非常に興味深い。...
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Dec 21, 2017
確証バイアスと共鳴箱効果
インターネット上では、特定のユーザーが拡散された自分の主張に合致するものだけを選び取る現象が起こる。少数が同じ意見の交換および拡散を図るため、見かけ上は多くの同意者がいるように見る。特定の情報のみが正しいと信じる「確証バイアス」が生まれ、それらが閉塞的なコミュニティーで増長...
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Dec 10, 2017
未来を予想するとは?
天気予報は科学を用いた未来予想だ。しかし、そういったいくつかの事柄を除けばこれから起こることを高確率で想定するのは難しい。科学者たちにとって「未来」はどのような過程で推測し、そこにどんな意味を見出すのだろうか。 SF作家のK.S.ロビンソンの考察が面白い。SF作家は預言者で...