リーディング勉強法(概論)
英語と日本語の大きな違いの1つに、品詞の順番である。
(例)”Everything that has a beginning has an end.” (映画『Matrix -Revolution-』)
(S) (V) (O)
(始まりがあるものはすべて終わりがある)~①
(すべて/そしてそれは/はじまりがある/終わりがある)~②
上記の①の訳例は、いわゆる後ろから訳しあげているため、英語の語順通りに処理されていない。より複雑な文になってくると、この方法ではあちこに目を動かすことになり、非常に効率が悪い。そうではなく、私たちが目指すのは、英語ネィティヴと同様、英語を「左から右、上から下に処理する」ことである。きれいな日本語訳を作る練習はいらない。理論的には②で十分である。
そして、日本語は助詞があるために単語の位置が重要ではないが、英語には4つのパターンしかない。これに修飾語等の説明・補足が追加されて長く複雑に見えるだけなのである。英語の語順に慣れることが「英語脳」と言われるものである。
そこで、理論的にも経験的んも絶対的なリーディング勉強法が「音読」である。英語を声に出して読むことで、(1)返り読みをせずに英語の語通りにで、(2)日本語を介さずに心象[イメージ]で、理解する(理解させる条件を作る)ことが出来るのである。だから、英語のまま②のかたまりごとに理解していくのである。
リーディングの教材は、読みたいものを読むのでも構わないが、レベルに合ったものが良い。そう考えると、英検は級によってレベル別がされている上に、非常に質の高い問題なので最高の教材であると言える。
以上を踏まえた上で、次のステップを踏みながら問題演習を通して読解力を高めると良いだろう。そして、必ず同じ教材を2つ用意(2冊購入かコピー)して欲しい。1つは書き込み用、もう1つは白文(復習用)である。
以下は英検1級の読解問題を使用した場合の例である。
Step1 制限時間に辞書等を使わず解く
Step2 制限時間なしで再度解く
Step3 制限時間なしで辞書や参考等を使用して解く
Step4 自分の解答を他者に確認知ってもらい、限界まで答えを絞り出す
Step5 単語・構文や解法等を辞書や参考書などを使って調べる
Step6 書き込んだ文章を実際に解くように音読する(3回)
Step7 何も書き込んでいない白文を実際に解くように音読する(3回)
実際の問題があった方が自分の理解を把握しやすいので推奨する。また、日本語訳は、復習するときに必要に応じて使えば良い。
上級者への壁を突破するまでは、あれもこれも手を出さずに、質の高い問題を丁寧にこなして方が良い。結局、最終的な目標は、「右から左、上から下」の語順通りに自動的な処理が出来るようになることだからである。リーディングの最強の勉強法はこれらを意識した「音読」である。
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