リスニングの推薦教材
中級者のリスニング勉強の大原則は「ただしく音読できれば聴こえる」である。「DLOS勉強法」では「量より質」が重視されるため、どの教材を用いるかは大切なことである。必ずスクリプトのあるものを使って丁寧に矯正していきたい。
まず具体的な目標がある場合、例えば、英検やセンター試験などを受験する予定がある場合は、その「過去問」が最も良い。過去問は自分のレベルの少し上であるから力が伸びやすい。数年分やるだけでも十分なスクリプト量を勉強することになる。
「DLOS勉強法」では力試しで問題を解くことから始めるので、ここで過去問から推測される傾向や解法テクニックを確認しても良い。聴こえなかった問題に引きずられずに、気持ちを切り替えて問題に集中するといったメンタルトレーニングも積んでおきたいからだ。ただし、リスニング問題の多くは、大筋が聴こえれば解けるものが多いので、小手先のテクニックに依存するのではなく、流れている音声に集中すべきである。
私が留学したTAFEのELICOSでは、リスニング教材として、“Behind the News”を使っていた。子ども向けの教育にニュースで難しい語句は丁寧に解説してくれる。当時はビデオテープだったが、先生から借りて理解できるまで何回も繰り返し聴いたものだ。今は、オンライン(”Behind the News”)で視聴できスクリプトも載っているので、速聴・精聴のどちらにも使えるお勧め教材である。
※参考文献
“Behind the News”(ABC)
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