Tom
- May 3
『夜と霧』(新版)〜「生きる意味」のコペルニクス的転換〜
人は辛い状況に置かれた時に、その因果関係を追求する傾向があるのだと思う。例えば、困っている従業員は「なぜこんな会社のために働いているんだろう」と考える。個人的には、言うまでもなくあのアウシュビッツの強制収容所に比べたら比較にならないほど幸運であるが、それでも「なぜ生きている...
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- Mar 1
ドライブ・マイ・カー〜シンプルで奥深い物語〜
2021年、早稲田大学に「国際文学館」、通称「村上春樹ライブラリー」がオープンした。校友会(卒業生)である村上氏の寄付がきっかけとなり、「文学の家」として「キャンパスのミュージアム」化に貢献している。ここには村上春樹の著書だけではなく、彼のレコードやCDのコレクションも置か...
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- Nov 16, 2022
「不可能なことだけが危機をこえる」(『思想としての新型コロナウイルス禍』)〜コロナ禍に立ち向かう基本ロジック〜
新型コロナウイル感染が世界中に拡大し、医療・経済・教育などあらゆることが変化し、多くの議論が行われている。現実問題として医療や経済などに目が向かいがちであるが、終息する気配もなく、どこが退廃的な雰囲気が醸成されているのはなぜだろうか。...
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- Oct 22, 2022
『ホモ・デウス』(上巻・下巻)〜人類の真理はどこにあるか〜
AIの本質を探り、今後の人類のあり方や生き方を模索することは現代社会の大きな議論の一つである。本書は、テクノロジーと生き方の手助けになると思い長期休暇を利用して上下巻を読破した。著者のユヴァル・ノア・ハラリはヘブライ大学の教授で専門は歴史学である。『サピエンス全史』で世界的...
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- Oct 9, 2022
自由なコミュニケーションの不自由さ
熊代亨は著書『健康的で清潔で、道徳的な秩序ある社会の不自由さについて』の中以下のような指摘をしている。現代の私たちは、売買やコミュニケーションを担保する法制度と空間設計、それらに適した通念や習慣が徹底された社会の仕組みから便宜を得られる人がいる一方で、人々が他者と共有できな...
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- May 15, 2022
『”他人”に振り回われない心の作り方』〜「信念」を書き換える〜
「あなたはこんなことで困っていませんか?『いつも他人の顔色を気にしてビクビクしている。』『相手が少しでも不機嫌増だと自分のせいだと考えてしまう。』「なぜかあの人といると振り回されて、イライラする」(表紙より)一度は似たような経験もあるだろうし、深刻に悩んでしまうこともあるだ...
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- Nov 20, 2021
『ほしのこえ』(考察編)
本稿は、映画版『ほしのこえ』に関して、ノベライズ版をヒントに以下、本編の考察していく。 新海誠本人が小説を書いているわけではないが、執筆者は、劇中の数秒の描写も細かく書いているので、本編の短い描写の意味がより味わえる。また一方で、新設定を加えることの功罪も分かっていながら執...


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- Apr 3, 2021
『天気の子』(感想編)〜愛と世界、選択の物語〜
英語の時間に「My favorite movie or book」というテーマでスピーチ(プレゼンテーション)させた。その中で、映画『天気の子』(Wethering with you)の紹介があり、設定されている場面のほぼすべてに土地勘があったことが視聴するきっかけだった。...
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- Apr 2, 2021
『決定版 上司の心得』・『リーダーが身につけたい25のこと』〜自分・チームそして組織の未来へ〜
人の上に立つのは難しい。個人的には今まで生徒会やサークル活動でリーダーシップを取ってきた経験はあるものの、職場となるとまた大きく違う。ましてや年齢的にも中堅になれば一定の責任や効率が求められる。そんな苦悶の中で組織運営に関する哲学と実戦的ノウハウに関する2冊に出会った。...